タイトルにしびれた。
『前へ!前へ!前へ!』
英語バージョンだと
『Do it！ Do it！ Go ahead！』
開く前から、こんなにも人の背中を押す本が、あるかしら？
もちろんこの言葉は、
今この瞬間 前へ前へと進んでいる者の背中に、圧をかけたりしない。
背に圧を感じたのは、
これを手にしたあたしが
立ち止まっていたからだ。
あたしは、
自分がなりたいものになるために、
具体的に何かをスタートさせることを、
ためらっているところだった。
スタートさせたら、どうなっちまうの
何を今までより背負わなくちゃいけなくて
何を今までより諦めなくちゃいけないの
仕事を続けながら本当にやれるのかしら
かといって今、仕事を辞めるわけにはいかないわ
この『前へ!前へ!前へ!』の著者は、税所篤快。
早稲田大学在学、現在23歳。
19歳で、
世界最貧国といわれるバングラデシュの
グラミン銀行(世界中のソーシャルビジネスのモデルとなっている大企業)
に、単身乗り込み、
20歳で、
バングラデシュの教育格差問題に対して、
革命を起こすプロジェクトを立ち上げ、
同じ年、
日本で、ワタミの渡邊美樹氏が主催する‘みんなの夢アワード’にてこのプロジェクトをプレゼン、
見事、大賞と特別賞をダブル受賞。
翌年にはワタミの支援を受けて、ソーシャルビジネスカンパニーを設立している。
‘なにもしてない’あたしが手にした本は、
‘思いつく限りなにもかもやってみる’男の子が、
バングラデシュでひとつの奇跡を起こす物語だった。
やり方は、ひっちゃかめっちゃかだ。
若干23歳、
なんの手腕も経験もないのだから、当然といえば当然だが、
いつだって、行き当たりバッタリ、お騒がせしまくりの怒られまくりだ。
けれど彼はただひとつ、
立ち止まることだけは、しないのだ。
ブルドーザーみたいな機動力で、
‘絶対にやってみせる’。
コネがなかろうがお金がなかろうが実力がなかろうが、
それは彼の‘やらない’理由にならない。
あらゆることをぶっ飛ばして、
動き続けるのだ。
その姿は、
いつしか人を 感動させ 心奪い、
いつのまにか、驚くほどの人を巻き込んでゆく。
そうだ。
手腕じゃない。
運じゃない。
‘〈やる〉を選ぶ’ということ。
おそらくそれが、
彼がバングラで奇跡を起こせた、唯一の理由なのだ。
たった今、
バングラ行きのチケットを取って、
グラミンに乗り込むことということ。
実はそれは、
税所氏のみならず、
あたしにも
できたことなのだ。
あたしにも税所氏にも、
この奇跡を起こす可能性が、
同じだけあった。
けれど
あたしは やらなかった。
そして
税所氏はやったのだ。
‘やるか、やらないか’
人生のすべてはその一点に尽きる。
「現実はそんなに甘くないだろ」？
違うね。
今すぐにだってあたしは、
仕事を辞めることができるのだ。
今すぐあたしは、家を飛び出すことができる。
今すぐあたしは、恋人と別れることができるし、
今すぐあたしは、世界一周の船に飛び乗ることもできる。
今すぐあたしは、新人賞に応募することだってできるのだ。
それが 現実 だ。
あたしは。
ほんとは、どんな言い訳もできないほど、
なんだって やれるのだ。
『Do it！ Do it！ Go ahead！』
この本が、あたしの背中を押してくる。
これはチャンスだ。
押されるがままに踏み出そう。
がんばれ、あたし。
‘やる’を選べ。
大丈夫。
立ちすくんでいたなら何処にも辿り着けないけど、
もし‘一歩踏み出す’ことを選ぶなら、
どの道を進もうか迷う必要はない。
360度、
どの方向に踏み出したって、
ちゃんとゴールへと繋がっているからだ。
失敗するのも、痛い目みるのも、
間違っていない。
あなたを後ろに運ぶ一歩などないのだ。
その一歩一歩はすべて、
無駄にならずに、
あなたを 前へ前へ と運ぶ。
- 前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。 ―/税所篤快
- ￥1,365
- Amazon.co.jp