lu マンチュのotokoを
見に行った

男は人の上に人を作らずと言いながら女がいた
女は人の上に人を作らずといいながら男がいた
二人は手を取り合って互いに称え合い
周囲におだてあげられるも
お互いに夢見ていた
ミハテヌユメを


彼のために見ることはできなかったが
彼は彼女にために見続けた見果てぬ夢を


すべての枠を越えて
宗教を超えて

現実不可能な愛
現実不可能な夢

今でも夢見るよ
夢は見るもので現実になるものではない

彼女は彼の夢を見続けた
彼がスターで
彼の上には星がなく月だけがあり続けている世界にいると信じていた
彼は月を目指し続ける 届かないものを目指し続け 彼女の夢を叶えようとした
彼女は星やその月さえ取っ払い
彼が一番上になるように祈り歌い捧げる
彼は本当は届かないことを知っていたが彼女に夢を見させるふりをしていた
彼女が夢を見ている間だけが平和だった
彼女は彼がトップスターでいることだけが全てでそれを信じ疑うことはなかった
二人三脚で蹴落としてきたが終盤行き着く所まで来た二人
世の人々とかけ離れた世界になってしまっていたのは必然だった
なおも二人で高みを目指すことを選んだ
空の上には夕闇と朝焼けがあった
星もつきもなかった
その後は何処を目指すんだろう
周りにいる仲間たちが歌う二人を賛称する歌の中で
男は女を慈しみ 女は常に美しく強情な夢を見続けさせられていた

このあと何を目指すのだろうか
いつか見果てることがあるのだろうか





*フィクションです