🐈‍⬛「本日の挑戦者は地下室執事代表『血塗れマリア』ことラト・バッカさんです!」
🌹「不穏すぎないっすか?ラトさんの二つ名…。」
🐈‍⬛「僕はラトさんにピッタリだと思いました!それではラトさん、張り切ってどうぞ!」
🌹「その呼び名がピッタリな人を大事な主様に近づけて良いんすか…?」

❤️‍🩹「おはようございます。主様。時間になりましたが、起きれそうですか?」
🐈‍⬛「先ずはオーソドックスなラトさんの声かけアプローチからですね。」
❤️‍🩹「…ふむ。起きる気配がありませんね。美しい寝顔です。くふふ。…やはり主様こそが、私の…。」
🐈‍⬛「おおっと!ラトさん、主様に音もなく近づき、いきなり主様の唇にキスしましたーっ!ラトさんの『フォーチュンですキッス』!
『フォーチュンですキッス』!が決まりました!」
🌹「いきなり過ぎるっす!全然オーソドックスじゃないじゃ無いっすかっ!それと技名、絶妙にダサいっすっ!」
🐈‍⬛「唇が触れた程度で起きる主様ではありません!ここからカウント入ります!ワン、ツー、スリー、フォー…」
🌹「スリーカウントじゃないんすか!?」
🐈‍⬛「主様が二度寝を諦めるまでが勝負です!…20秒経過!」
🌹「あっ!気づいた主様が暴れてるっす!助けに行かないと…っ!」
🐈‍⬛「今、主様がラトさんの背中をタップして、自力で起き上がりました!25!ラトさん、25秒で主様を起こしました!レコード更新です!」
🌹「なんであの人は、自分で解決しちゃうんすかねぇ…。オレがカッコよく助けて差し上げたかったのに…。」
🐈‍⬛「主様、完全にキレてますね!めちゃくちゃ怒っています!」
💍「ラトーっ!私のこと窒息させる気!?」
❤️‍🩹「くふふ。おはようございます、主様。…目覚めのキスで起きてくださるなんて、やはり主様は、私の唯一の運命の相手なのですね…。そんなにお顔を赤くして…照れているのですか?とても可愛らしいです。クフフ。…ねぇ、私の主様…?」
💍「幸せそうなところ悪いけど、顔を密着させて、唇を吸引し続けられたら、大抵の人間は息苦しくて起きるんだよ!そしてそんな起こされ方されると、赤黒い顔色になるのっ!」
❤️‍🩹「おや?私の見た絵本では、王子は確かに目覚めのキスをする時、お姫様に顔を密着させていたのですが…。」
💍「それは絵だから!実際は微妙に顔をずらしてるの!ラトは綺麗な鼻筋してるのに、潰れちゃったらどうするの!」
❤️‍🩹「なるほど。挿絵の方の画力の問題でしたか。」
🐈‍⬛「でました!ラトさんの通常技『論点ミスマッチ』!」
🌹「あれ、絶妙に脱力するんすよね…。」
❤️‍🩹「それとも…鼻の潰れた私を、主様は嫌いますか?」
🐈‍⬛「あっ!意外にも主様に言われた事を理解していた様です!ラトさん、攻めます!『ウォータープルーフロングマスカラ』で攻めます!」
🌹「ムー、それは化粧品の名前っす!ラトさんの長い睫毛が時折り醸し出す儚げな色気は、多くの歴代主様を虜にしてきたっすからね…。さて、我らが主様はどうでるか…。」
💍「…嫌いになるわけ無いでしょ!私だって、大和民族だから、鼻低いし!ラトが鼻ペチャでも気にしないよ!」
❤️‍🩹「美しくない私の事も…。」
💍「可愛がる!勿論可愛がるよ!…ラトのことは、自分が壊されかけても、可愛くてしょうがないんだから!」
🐈‍⬛「主様、ここでラトさんをホールド&ナデナデ!主様の『マイスウィートハニー』攻撃に、ラトさん黙っちゃいましたっ!」
🌹「そりゃそうっす。主様を本気で壊しかけたことは、ラトさんにとっても痛い過去だと思うっす。そこをナチュラルについてくるあたりが、主様の怖さっすね。
それとこの技何すか?オレ喰らったことないんすけど。」
🐈‍⬛「この技は『可愛いと言われながら頭をナデナデされても反発しない執事』にだけ使われる奥義です!ちなみに、二階の執事さんの中では、ハウレスさんだけが対象です。」
🌹「ハウレスさん…。正直、知りたくなかったっす…。」
🐈‍⬛「そうこうしているうちに、ラトさんが動きましたよ!主様の両手を自らの両手で握りしめて主様を見つめています!ラトさんの『帰しませんよ。くふふ。』です!」
🌹「技名、最早台詞っすね。」
❤️‍🩹「主様…。やはり、私の運命の人は、主様以外に有り得ませんね…。」
🐈‍⬛「ここでラトさん、頬を主様の手の甲に擦り付けます!気不味い過去を乗り越えて、主様への想いを更に伝えるなんて…っ!手を取られた主様も、満更でもないご様子です!」
🌹「いや、違うっしょ!何すか!この甘々展開は!!いくら主様がラトさんのママ母的ポジションとはいえ、納得がいかないっす!」
🐈‍⬛「純粋過ぎる小悪魔って、存在するんですねぇ…。今回はラトさんの圧勝でした!さすがラトさんです!」
🌹「あっ!また懲りずにラトさん、主様にキスしてるっす!オレというものがありながら、主様も主様っす!もう、許せないっす!フルーレ連れて殴り込みっす!」
🐈‍⬛「一人で行かないところが、アモンさんって感じです♪ 頑張ってください!アモンさん!」
🌹「嫉妬に狂った男は怖いっすよ〜!主様!」
🐈‍⬛(やっぱりアモンさんは、ラトさんとは戦わないんですね…。)
*弊パレスのアモンと主様は付き合っていません。

🐈‍⬛「長くに渡りお付き合いいただきましたこのシリーズも、いよいよクライマックス!最後の挑戦者は、別邸執事代表『太陽の剣(つるぎ)』テディ・ブラウンさんです!」
🌹「ダークホースが最後に待ち受けていたっすね〜。テディさんはソフトに見えて、なかなか侮れないっす。」
🐈‍⬛「手に、小さなカップを持っています!爽やかなお顔に似合わぬ、凶器攻撃でしょうか!?」
🌹「いや、コーヒーっすね。目覚めのアイテムとしてはオーソドックスな部類っす。やっとまともな起こし方が見れるっすかねぇ…。」
🐈‍⬛「テディさん、主様のお部屋に入場。例のカップをサイドテーブルの上に乗せました!」

🧸「おはようございます!主様!いい朝ですよ!」
🐈‍⬛「先ずはテディさんの『ビックフレッシュボイスアタック』とカーテン全開の基本技『容赦なき陽光』の合わせ技で始まりました!」
🌹「全開…。テディさん、いい度胸してるっす。さすがは軍隊の元副隊長っすね!」
🐈‍⬛「あまりの眩しさに、主様、たまらず『スリープロック』!防御技です!」
🌹「いつもより深く布団に潜り込んでるっすね。ここからは長いっすよ。オレもこの状態になると布団の上から声掛けして揺するくらいしか出来ないっすから。」
🧸「あーるじ様♪ 失礼しますね!」
🐈‍⬛「テ…テディさん、お布団に両腕を突っ込んで、主様の脇下を支えて引き摺り出しましたよ!!」
🌹「あ、主様に対して無礼がすぎるっしょっ!あんなの、初めて見たっすっ!」
🐈‍⬛「テディさん、新技ですね!名前は何にしましょうか♪ 」
🌹「そんなもん、テキトーにつけとけばいいっすっ!ああっ!その脇乳も二の腕も触っていいのはオレだけっすっ!」
🐈‍⬛「アモンさん、テディさんは真面目な方です!心配いりません!」
🌹「いーやっ!若いの男は油断ならないっす!一見真面目そうな男ほど実はヤバいんすよ!
ムッツリのお手本みたいな人が同室だからこれは間違いないっす!」
🐈‍⬛「どなたの事を言っているんでしょうね…。さて、試合の方は…。テディさんの『キャッチザミートボール』からの引き摺り出しにより、主様、お背中を支えられて座らされていますね…。」
🌹「『ミートボール』って…。ムーは主様のお胸を何と心得ているんすか…。」
🐈‍⬛「フフフ♪ 柔らかくて、美味しそうです♪」
🌹「それは…同感っす。」
🐈‍⬛「そうこうしているうちに例の小さなカップが、主様の口元に運ばれます!」
🌹「入っているのはテディさんお得意の、香りの良いコーヒーっすかね?主様も嬉しそうっす。」
🐈‍⬛「アモンさんは嬉しくなさそうですねっ。…あっ!主様のお身体がビクついています!!」
🌹「主様は猫舌っすからね!熱すぎたっすかね!?」
💍「にっが〜っ!何コレ、テディ!人外の苦さなんですけど!?」
🧸「目が覚めたみたいですね!おはようございます!主様!…俺、コーヒーを飲んでいて眠れなくなったまま朝になったときに、またコーヒー淹れて眠気を覚ますんですよ。これはその最終形態の特濃エスプレッソ『ラスト・コーヒー』です!」
💍「目覚める前に味覚が終わるわっ!う〜。朝から胃が痛い…。気がする…。」
🧸「胃が痛いのは、お酒を飲みすぎるからですよ!主様!」
💍「爽やかに言えば何でも許されると思わないで欲しいな…。テディ、コレ大きいカップに移して、牛乳3倍くらい入れて。」
🧸「え…。残されても大丈夫ですよ?軍隊でも、コレを飲み切れる人間はごく少数でしたから。
…そいつらとは、ずっと家族みたいに付き合ってました。懐かしいなぁ…。」
💍「じゃあ、ますます飲まなきゃ終われないでしょ。テディが淹れてくれたんだもん。飲むよ。」
🧸「主様…。へへっ!こんな素敵な主様に仕えられて、俺って本当にラッキー!です♪ 」
🐈‍⬛「えーっと…。テディさん、技名も自分で付けてるので、僕たちの出番は無かったですね…。」
🌹「あーっ!もう!面白くないっす!…こうなったら一時テディさんをライバル視しているラムリと手を組んででも主様を取り戻すしか…。」
🐈‍⬛「何やら企まれているところ申し訳ないですけどアモンさん、明日はエキシビジョンです。明日もお付き合いお願いしますね♪ 」
🌹「はぁー!?オレ今忙しくて、それどころじゃないっすけど!?」
🐈‍⬛「フフフ♪ 待ってますね!アモンさん♪ 」
🌹(ムー、やり口がラトさんに似てきたっすね…。)

 AM9:00 主人の部屋ドアの外

🐈‍⬛「おはようございます!アモンさん!やっぱり来てくれましたね♪
僕とっても嬉しいです!」
🌹「あんな言い方されたら、来ないわけにも行かないっすよ。
…そんで?エキシビジョンは誰なんすか?」
🐈‍⬛「フフフ。アモンさんもよーく知ってる方ですよ!ご紹介しましょう!『叡智の蝶』こと二階執事のフェネス・オズワルドさんです!」
🦋「ど…どうも。ムーにオレの仕事を見学したいと言われたので…。引き受けちゃいました。」
🌹「ムー…。何、フェネスさんの人の良さに付け込んでるんすか。」
🐈‍⬛「さぁさぁ!時間になっちゃいますよ!フェネスさん、お願いします!」
🦋「ハハ。…まぁ、アモンが俺から学ぶことなんて何にもないと思うけど…。」
🌹「そんな事ないっす!勉強させていただくっすよ。あんなに皆色々やってたなんて、オレ知らなかったっすから!」
🦋「色々?そうなんだ。あとで教えてね。…主様、失礼します。」
🐈‍⬛🌹「「失礼します」っす。」

🌹「…主様、相変わらず、よく寝てるっすねー…。」
🦋「うん。ちょっとごめんね。」
🌹「掛け布団、剥ぐんすね。意外と大胆っすね、フェネスさん。」
🦋「アモン、悪いんだけど、
主様が起きてしまうと可哀想だから、少し声を落としてもらえる?」
🌹「え?あ、はぁ…。(主様を、起こすんすよね???)」
🐈‍⬛「フェネスさんのお邪魔になってはいけないので、ここからは僕たちはジェスチャーでお届けします!」
🌹「そう上手くいくっすかね〜?」

🐈‍⬛【フェネスさん、主様をブランケットに包んだまま抱き抱え上げて、ドレッサーの椅子に座らせましたよ!】
🌹【コレは確かにフェネスさんにしか出来ないオリジナル技っすね!】
🐈‍⬛【フェネスさん固有奥義『優しさに包まれたなら』からの…。主様の頭をその大きな手のひらで固定して、髪の毛をほぐし始めました!】
🌹【マッサージ感覚なのか、主様全く起きないっすね】
🐈‍⬛【コレまた固有技の『大きな魔法の手』ですね!主様、気持ちよさそうに寝ています♪」
🌹【いや、起こすんじゃ…。】
🐈‍⬛【絡まりをすっかりほぐし終わったところで、ここで謎の小瓶が登場です。】
🦋「失礼します。主様。」
🐈‍⬛【あれは何ですか?アモンさん】
🌹【あれはクレンジングオイルっすね。角栓や汚れを浮かせて綺麗にするオイルのことっす。…なるほど、そのまま洗顔がてら、優しくフェイスマッサージっすか…。】
🐈‍⬛【『フェイスtoフェネス』ですね♪】
🌹【ダジャレっすねw】
🦋「主様、少し温かくなりますからね。」
🐈‍⬛【あっ!優しく主様のお顔を蒸しタオルで軽く蒸された後、オイルを丁寧に拭き取っています!その後…えーっと…。たくさん主様のお顔に液体を塗っています♪】
🌹【もう、それで良いっすよ。乾燥しない様に、最後にフェイスパックっすね。】
🐈‍⬛【ここから櫛とブラシで、ヘアメイクが始まりましたね。】
🌹【? 編み込みまでしてる…。主様はこの後、朝食を摂られる為に食堂に行くので、お外に出るためのお着替えやメイクは食後、フルーレが担当するはずっす。今は軽いお着替えとヘアメイクでいいはずっすが…?】
🦋「…終わったかな。パックを外して差し上げて…。起きてください、主様。基礎メイク完了しましたよ。」
💍「んー…。おはよう、フェネス。支度ありがとう。」
🐈‍⬛「フェネスさん、5秒!主様が目覚めるまで5秒です!」
🦋「おはようございます、主様。あとはパジャマからのお着替えで終わりですよ。さぁ皆、外に出よう?」
💍「え?ムーはともかく、なんでアモンもいるの???」
🌹「おはようございますっす、主様。フェネスさんから、色々と学ばせていただいたところっす。」
💍「そ…そう?じゃあ、私着替えるから…。」
🦋🌹「「では主様、少し失礼します」っす。」
🐈‍⬛「僕は主様と一緒にいます!」

ドアの外にて…。
🌹「フェネスさん、なんで主様の髪を、フルーレが後からセットするのに、キチンと編み込んでいたんすか?」
🦋「うーん…。主様、食事前に髪が崩れない髪型にセットされていると、フルーレの仕事を少しでも減らしたいのか、そのままの髪型でお出かけされるんだよね。」
🌹「フルーレの為に!…フェネスさんも主様も本当に優しいっすね!」
🦋「いや、その…。本当のところ俺は、主様があちらの世界に戻られても、鏡を見るたびに、俺のこと思い出してくれたりしたら、嬉しいなぁ。…なんて…。」
🌹(可愛くモジモジしても、独占欲が隠しきれてないっすよ!フェネスさん!やっぱり、フェネスさんは油断ならないっすね。…テディさんもラトさんもルカスさんもボスキさんも、ぶっちゃけ全員油断ならなかったっすけど!…)
🦋「ん?どうしたの?アモン?
やっぱり俺、ちょっと気持ち悪いかなぁ…。」
🌹「そ、そんな事ないっすよ!
オレも…。柄にもなく、燃えてきたっすから♪」
🌹(ドキドキさせる意外にも…。主様へのアプローチを考える段階にきてるのかもしれないっすね。)

💍「お待たせ、二人とも。」
🦋「いえいえ。それでは主様、食堂までご一緒しますね。」
🌹「エスコートはオレに任せてくださいっす!」
💍「うふふ♡両手に華だね♪」
🐈‍⬛「主様が嬉しそうで、僕もとっても嬉しいです♪フェネスさん、素敵なエキシビジョン、ありがとうございました!」