今年のGWも全国コロナ禍の下外出自粛が求められ積極的な臨時列車運行をひかえた鉄道会社も多い。言って悪いがあのドケチなJR東海は真っ先に紀勢本線特急南紀の臨時運行はしないだろうと思っていた。昨年11月に南紀の2両編成化とG車廃止を打ち出したし。
ところがである・・なんとこの連休中全ての臨時南紀が運行されかつ定期南紀も全て4両編成だったのだ。一体どうしたん?JR東海よ! まあファンとしては嬉しいことだけどね。
【特急南紀】
名古屋 → 紀伊勝浦 紀伊勝浦 → 名古屋
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1号 8:05 → 11:56 2号 6:20(新宮)→ 9:41
81号 8:51 → 12:49 4号 8:55 → 12:41
3号 10:01 → 13:58 6号 12:23 → 16:10
5号 12:58 → 16:43 82号 13:38 → 17:44
83号 16:43 → 20:32 84号 14:29 → 18:26
7号 19:47 → 23:14(新宮) 8号 17:11 → 20:49
通常4往復の定期特急に加え休日設定の臨時特急2往復と乗客の割には頻回に運行されているのだ。しかも今まで気付かなかったけれど往路の午前中はほぼ一時間ごとに3本・・復路も昼~昼過ぎにかけ一時間ごとに3本という配慮がなされてる。やはりダイヤを作る人(スジ屋)は人の流れを考えてるんだなあ。特急は何よりも優先して運行される列車だけれどやはり定期特急に比べ臨時特急の所要時間は長い・・途中あちこちで列車交換待ちがあるんだろうなあ。
そこで伊勢鉄道線内(鈴鹿―津間)で臨時南紀の運行を観察してみた。南半分が単線である伊勢線にどのようにして臨時ダイヤを押し込んでいるのか興味があったからである。
【南紀81号】
伊勢鉄道の時刻表を参考におおよその通過時刻に河芸駅へ行ってみた。
4両編成の臨時南紀81号が進入してきた。
ところが・・
通過していくだろうと思ってたが出発信号機は「赤」。おかしいなあ・・この時間帯に上りの列車はないはずなのに・・。
・・としばらく様子を見ていると・・
津の方から・・な・・なんと! 名古屋車両区へ回送されるキハ11じゃないか!!! すっかり忘れてたなあ。いかに臨時とは言え特急を待たせて停まらずに単行で通過していった。
そして・・
81号はゆっくりと発車していった。
撮影後改めて時刻表から簡易のダイヤグラムを作成してみた。
特急南紀の鈴鹿―津間の所要時間は12~13分なのだ。81号の鈴鹿発時刻は9:44・津着は10:02でなんと18分もかかってる。そこで鈴鹿発時刻と津着時刻を両駅間12分スジでタイヤグラムを作成すると上図の様に交換駅である河芸で数分停車することが分かる。回送列車との交換を中瀬古駅で行おうとすると南紀の停車時間がほぼ10分くらいになってしまうのだ。ダイヤ作成にはスジ屋の絶妙な工夫がなされている。
【南紀84号】
次の日臨時84号も津ー鈴鹿間の所要時間が18分と長くその時間帯に走る下り列車を調べると河芸駅で快速みえ17号との交換があった。快速も鈴鹿―津間を特急並みの速度で走行する。
南紀84号の河芸駅停車時間も数分と長いが作成したダイヤグラムを見るとそのまま中瀬古駅まで進行してもピッタンコ快速みえとの交換は可能だ。しかしだ!・・スジ屋は賢い。紀伊勝浦から延々と北上して来る特急の遅延の可能性は大きくギリギリの時刻に中瀬古駅で快速との交換を設定すると特急が遅れた場合快速にまでその影響が及んでしまうのだ。従って84号と快速の交換は河芸駅に設定されたというのが私の考察だ。
案の定・・
84号は3分遅れで河芸駅に到着した。
しばらくすると・・
快速みえ17号が定時に河芸駅を通過!
そして・・
84号は河芸駅を定時に発車したのだ。3分遅れはここで解消!
84号が3分遅れのまま河芸駅を通過し中瀬古駅へ向かえば既に快速みえ17号は中瀬古駅に到着しており結果的に快速にも3分遅れが波及してしまうのだ。
改めてダイヤグラムを観察してると実によく考えられていることが分かる。私にとっては素晴らしい頭の体操でありボケ防止になるのだあ(爆)。
その約10分後・・
臨時83号は定期特急並みに定時に河芸駅を通過していった。
私がタダの撮り鉄でないことがお分かりか?・・ガッハッハ(・・と自己満足)。