21日深夜に事故に遭ったユキは、まず最初にワタシの

携帯に連絡をしてきた。


すぐに警察を呼びなさいと伝え、ワタシは事故現場へ向かった。

警察官よりも一足早く事故現場へ到着したワタシは、とりあえず

ユキのケガの状態を見て、骨折ではないだろうと判断。

そこへ警察官が二人やってきた。



なーに、

ぶつけられちゃったの?



これが到着した警察官の第一声だ。



ユキとノリちゃん双方が免許証を提示し、事故の様子を伝える。

一人の警察官がノリちゃんに、そしてもう一人がユキからそれぞれの

話を聞いていた。



お友だちなんでしょ?

だったら人身にする必要ないんじゃない?


それにさ、こんな遅い時間にダメじゃない。


車の免許持ってるんでしょ?

だったら車に乗りなさい!

バイクなんて危ないんだから!

車の方が安全なんだよ。

痛いところが出てきたら病院行きなさい。




これ、全てユキから話を聞いていた警察官が言った言葉だ。




20歳になったばかりとはいえ、成人した娘だ。

警察官とのやり取りに口を挟む気持ちはなかったが、

あまりにもふざけた言い方につい口を挟んでしまった。



あの、本人は転倒した時にどこをぶつけたかも覚えてないんです。

見たところ頭は打っていないようですし、骨折も大丈夫そうですが

できれば今すぐにでも病院に連れて行っていただきたいのですが。


じゃ、救急車呼んだら?

救急車呼んだら人身になっちゃうけどいいのね?


仕方ないですよね。

ケガの方が心配ですから。





翌日、学校へ行っているユキの代わりに、管轄の警察署へ

診断書を届けた際、抑えていた言葉を吐き出してしまった。



なぜ、昨日いらした警察官はケガをしている娘に向かって

バイクじゃなく車にしろだとか、こんな夜遅くに出歩いてなんて

おっしゃったんでしょう。

娘さんは未成年ではないとおっしゃるのであれば、成人した大人に

夜遅く出歩くなだとか、バイクはやめろなどと言う必要がありますか?

しかも、簡単に人身にする必要ないでしょ?ってどういうことですか?


エッ・・・

現場のおまわりさんがそう言ったの?

本来そういうことは言わないんだけどなぁ。

ちゃんと確認しておくね。


そうですね。

でも、仮に確認してくれたところでこれでおしまいでしょ。

確認しますって言えばそれで終わりですもんね。

だって、天下の警察官さんだもん。

お上ですもんね。


アハハ、おかーさん、そんなこと言わないでよ。


でも、実際そうですもん。

こちらが何を訴えたって、ここでもみ消しでしょ?


アハハ、ちゃんと伝えるよ。

そんなこと言わないで!

ごめんねぇーー





そして翌日、ユキが調書を取るために呼ばれました。