ご主人様が退院して、家に戻ってきた。バンザーイ。もう一人ぼっちにしないでね。マーは、マーなりに心配していたんだから。そして、さみしかったんだから。

 これからは一緒に、また散歩に連れて行ってね。エサもいっぱい頂戴ね。僕、この家に貰われてきて、今、すごく神様に感謝しているんだ。後は、ご主人様が国家試験に合格することと、お嫁さんを貰ってくれることだけが、望みなんだ。ささやかでしょ。みんなで仲良くしていこうよ。

 ねえご主人様。頑張ってね。マーも一生懸命、応援しているからね。僕は決して一人ぼっちじゃない。ご主人様も、一人ぼっちじゃない。だってご主人様には、僕がついているんだからね。頑張ろうね、ご主人様。

 ご主人様は、この間から入院している。手術もしたんだって。一年に二回も手術をしなければならないなんて、よっぽどついていないんだろうな。散歩はママさんが連れて行ってくれる。だけど、何かさみしいんだ。ご主人様は、僕の写真を携帯の待ち受けに使ってくれている。でも、僕は携帯を持っていないから、ご主人様のことを思いながらテレパシーを使うしかないんだけど、ご主人様は精神的にも参っているみたいで、なかなか反応してくれない。

 ご主人様は、さみしくないの?僕はご主人様がいないから、さみしいよ。

 また元気になって、僕を散歩に連れて行ってくれるよね?僕は大人しくして待ち続けるからね。

 頑張ろうね。ご主人様。僕はママさんと一緒に、ご主人様のことをいつも思っているからね。犬は犬なりに、心配しているからね。

 9月8日


「マー」はね、ご主人様とママさんに多くのことを望んでいないんだ。エサをちゃんとくれて、ちょっと散歩に連れて行ってくれて、ちょっとの時間じゃれさせてくれたらそれでいいんだ。ご主人様の勉強の邪魔もしないし、ほんの少しでいいから付き合ってくれればそれでいいんだ。

 ところでさあ、話は変わるんだんだけど、ねえご主人様、何やらいい臭いがするけど、何つけたの?



ーーー何つけたのかって、何もつけてないよ。




 うそでしょ。犬の嗅覚はバカに出来ないんだから。ははあ、じゃあ何かつまみ食いしたね?




ーーーそうだよ。かき氷を食べたんだよ。




 でもかき氷だけじゃあ、そんなに臭わないよね。チーズを食べたんでしょ?




ーーーそうだよ。チーズも入っていたな。




 チーズもってことは、他にも何か入っていたってこと?




ーーーそうだよ。




 もったいぶらないで教えてよ。ご主人様。




ーーーピザを食べたんだ。




 ピザだったら僕にも分けてくれたらいいのに。




ーーー分けてあげようと思ったけど、お前、犬のくせに猫舌だろ。熱々のピザなんか食べられないじゃないか。




 でも、声ぐらいかけてくれてもいいじゃない。




ーーーお前、寝てたじゃないか。寝起きが悪いじゃないか。起きてても、声をかけたら、あくびと背伸びをするくせ   

   に。




 そりゃまあそうだけどさあ。ご主人様と僕との間じゃない。けちけちしないでよ。水臭いじゃない。




ーーー分った、分った。今度ピザを食べるときは少し分けてやるから、いつまでもいじけるなよ。




 分けてくれたら、足の指なめてあげるね。




ーーーいらねーよ。大人しくしといてくれ。





 よし、よし、よし。儲けた、儲けた。ご主人様、これだから大好きなんだ。へへへ・・・・・。



 こうして僕は、ピザをゲットした。