バレンタインから二日間、日経新聞の経済教室においてテーマとなっていた掲件をまとめておく。
植田和男教授・北坂真一教授の執筆です。
1月24・25日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(米連邦準備理事会)による金融政策運営透明化方策が発表された。その骨子は以下の3点。
①中長期のインフレ目標について、2%をインフレ目標と明示化した。
(日銀は「インフレ率が安定的にゼロを上回るまでゼロ金利を続ける」としている)
②2014年まで低金利継続を表明した。
③FOMCの17人の委員の向こう3年間の予想を発表した。
②で低金利の継続を表明しているものの、③の14年末の政策金利の予測は1%を超えているため、ここで言っている低金利というものは、どうやら、利上げはしても1%までは異例の低金利だと考えているとするのが自然か。
これを受け、日銀も金融政策については「中長期的なめど」として「CPI(消費者物価指数)前年比上昇率で1%」と修正した。ただし、米国との違いは低金利継続までの期間を明確にしていないことと、米国の2%とは違い、1%としている点。
また、国際的に与えているイメージが異なっていることも事実。
日銀は10年秋以降、a)ゼロ金利政策、b)物価安定までゼロ金利の持続を表明、c)国債や社債、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)の購入を対象にした量的緩和政策を35兆円規模で購入するに加え、新たな緩和で65兆円に拡大しているものの、そのスピードは決して速くなく、目新しいものでもなかった。
その結果が2月上旬まで続いた円高・ドル安の流れだろう(ようやく、今回の変更では効果的に円安方向にシフトさせることにある程度は成功している)。
米国に戻ると、米国の金融政策はQE3を残しているとはいえ、金利スプレッドの低下余地は限られてきていることや、異例な低金利を続けることによるインフレ懸念がつきまとう点には注意が必要だ。
世界的な金融政策についていえば、「フレキシブル・インフレ・ターゲット」といい、インフレ率の目標値を公表するとしても絶対視しない考え方が主流になっており、徐々に日米・欧州と近づいていることがわかる。今後もこの方針が主流となるだろう。
以上。