東映「警視庁物語」シリーズ、見た?【改訂版】 | あきら・ド・クリエ の ブログ

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奥歯の毒入りカプセルを、いつ噛むの?今でしょ!

 

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「警視庁物語」 シリーズ 東映チャンネルで放映中!

■見どころのまとめ

・ 主役の 「堀雄二」 が無表情で、セリフが棒だし、元気もあまりない。

  失礼。23歳の時に東宝ニューフェイス入社の、超イケメンだった。

  息子は声優の 「堀秀行」※男塾の剣桃太郎の声。もう60代ですが。。。

・ 「花沢徳衛」 らの顔のインパクトのせいで犯人の顔を忘れてしまう。

・ 「今井俊二(健二)」が中盤からいろいろな役でレギュラー並に出演する。

・ 「潮健児」 がほぼ全作でちょこっと出てくる、探せ!※地獄大使の人。

  色っぽい姉ちゃんは小宮光江なんだが、途中からいなくなって、

  プレイガールの八代万智子もホステス役で時々出てたな。

・ 60年くらい前の東京のいろいろな場面が見れる

 

ぶっちゃけ、このシリーズ、一度見始めたら、やめられぬわ。

どうせなら、全作品と関連作品の一挙放送をやって欲しいんだがなあ。

大絶賛するほどではないけども、本当に申し訳ないけども、

ゴジラとかガメラとか裕ちゃんとか若大将とかよりは、

 

少なくとも、面白い。

 

ウィキペディアによると、以下のように記述されている。

1956年から1964年に公開されたシリーズ映画、全25作。

再編集されたテレビ版(1967年1~4月・全16回)も放映された。

レビドラマ 「特別機動捜査隊」(1961~77年)のベースとなった。

※波島進は主任(の1人)に抜擢されている。

※主役の堀雄二は 「刑事物語」と「七人の刑事」で課長役になった。

 

見どころ

・ 主演の堀雄二が主演らしくない。オーラがゼロで、セリフが棒。

  はっきり言って、捜査一課長のナイツ塙より下手かもしれない。

  顔を歪めて、「くそっ!」 とか言ったり感情的なシーンは、皆無。

  しかも、たいして活躍してないかも。若手の刑事が一番活躍する。

  ただし、洞察力や判断力とかは、まあまあ鋭いかもしれない。

  尾行相手に逃げられたり、時には撃たれたりすることもある。

  刑事は華のある仕事ではなく、庶民寄りのイメージを出すためか。

・ 神田隆や花沢徳衛とかのインパクトが強すぎて、他の人が霞む。

  とりわけ脇役らの顔がさっぱりし過ぎてて、まったく印象に残らない。

  ※ただし、潮健児のみは別格。悪魔が人間にまじってるくらい別格。

  特に真犯人の顔は終盤まではっきり映らないことも多いので、

  見終わった瞬間に、真犯人の顔を忘れていると明確に自覚する。

  犯人役だったのが認められて刑事に格上げになることがある。

・ 潮健児が全作品の必ずどこかに出演しているような気がする。

  あの顔は絶対に忘れることも間違えることもない。

  ほぼ悪役のみで、後にあんなに有名になって、全国の子供たち

  から大人気の俳優になるとは信じられないな。

・ 今井俊二(健二)が中盤頃から、毎回のように出演している。

  ある時は警視庁の刑事!またある時は大阪署の刑事!

  よくあるのが限りなくグレーな重要参考人!

  いったい真犯人だったことあったっけ?

 

東映チャンネルで順次放送されている。

全25作とあるが、実は第1作の前に、その前身となる作品がある。

これも含めると、全26作ということになる。

同じ年代で脚本や出演者が同じ作品もちょいちょい放映されている。

「チョップ先生」、あとなんだっけかな。。。

ウィキペディアでは、なぜかしら説明が欠落しているようだが、

第1作の前に 「終電者の死美人」(1955年)が上映されており、

東映チャンネルでは、この作品もきっちりと最初に放送されていた。 

主演が堀雄二(役名は違う)で、他の役者たちもけっこう被るのだが、

笑えるのは、パイロット版で重要な役割を演じていた俳優の数人が、

その後の第1作目以降で刑事役と犯人役が入れ替わっていることだ。

伊藤久哉と南原伸二が、第1作目で刑事と主犯の間でトレードされた。

山形勲は主任だったのが2作目で主犯。これはアリなのか???

花沢徳衛は、ずっと刑事で出ると思ってたら、その後にいなくなって、

ヤブ医者役で一回出たと思ったら、また刑事役で復活している。

野球でもないのに、レギュラー落ちとか2軍とかトレードとかあるのか。。。

 

「終電者の死美人」 パイロット作品的位置づけ

  1955年当時の駅や車両がばっちり見れる。

  冒頭は有楽町駅から始まって、中央線の車両内外、三鷹駅と車庫。

  三鷹駅に関しては、改札口、通路、事務室、食堂までバッチリ見れる。

  警視庁から車で出発するシーンでは、「警視庁通用門」 ってあるけど、

  あの地形とか建物からして、もしかして本物の警視庁?かもしれない。

  課長、係長、主任が乗って来た車はトヨペット・クラウン・デラックス。

  それ以外の人は普通のクラウン?鑑識用のワゴン車は本物くさい。

  三鷹駅の喫茶店の女給役で 「中原ひとみ」 が出ている。なんで?と

  思うかもしれぬが、東映ニューフェイス1期生で、南原伸二(宏治)、

  山本麟一と同期で、南原は今作では主犯、1~4作目までは刑事役、

  山本は今作では船頭役で少し、以降1作目からたぶん全ての作品で

  刑事役で出演することになる。山本はたいして活躍した気はしない。

  最初の被害者の女性が銀座のクラブ勤めで、終点の三鷹駅にて、

  死体で発見される設定から、冒頭の場面が有楽町駅から始まって、

  車両の中、吉祥寺駅、三鷹駅となっており、有楽町駅は銀座口と

  予想されるが、改札のシーンでは、3番線が上野方面行きとなって

  いるから、あれ?っとなる。有楽町駅なら2番線だと思われる。

  アフレコかもしれないが、駅構内のアナウンスも中央線と言っている。

  1955年当時の有楽町駅の銀座口がどうなっていたかわかれば

  一目瞭然なのだが。3番線が上野行きで1番線が東京行きだから、

  あの駅の場面は、神田駅ではないかという疑問がわいてくる。

  冒頭の風景も、有楽町駅の銀座口より、神田駅の南口に似ている。

  名台詞: 花沢徳衛 「仏が迷うぜ、和尚さん。」

  実家が寺で坊主が嫌いで刑事になった坂本刑事(福原秀雄)が、

  被害者が運ばれる際に、脱帽して薄い頭を出して片合掌した場面。

  この作品だけ、以降のと異なるのは、主犯が最後に追い詰められ、

  気が狂ったようにわめき出す南原の演技が光る。。。???光らない。

  そして刑事たちがみんなでタバコを吸って、やれやれって感じ出してる。

  ナレーションと最後のチャチャチャチャーーンって終わり方も合わせて、

  さすがにキモッ!ってなるわ。以降では、最後に犯人が確保されたら、

  「終」 って、さっさと終わるようになったみたいだ。ちなみに、この当時は

  パトカー、救急車、消防車のサイレンの音は、みんな同じですよ。

第1作 「逃亡五分前」 1956

  冒頭で、河川敷まで来たタクシー車内で運転手が客に射殺される。

  タクシー車は 「トヨペット・マスター」。 主任役の神田隆もそう言っている。

  丸みのある車体デザインは今見てもなんだか可愛い。復刻しないかな。

  ダイハツ・コペンがちょっと似てる気もしないでもないな。

  前作に続き、鑑識車両も出てる、「トヨペット・マスターライン」 ではない。

  現代だとニッサンのキャラバンっていうやつらしいけど。

  「矢の倉ホテル」が登場するが、雅叙園観光のホテルで日本橋にあった。

  55年8月1日に廃業したので、この時は何に使われていたのか不明。

  日本橋に「矢ノ倉町」という地名があった、現在の「東日本橋一丁目」。

  やっぱ、前作で若手刑事と主犯やってた俳優が、そっくりトレードされて

  入れ替わっているのが、何とも言えないですな。

第2作 「魔の最終列車」 1956

第3作

第4作

第5作 「上野発五時三五分」 1957/8/27 公開

  ロケ地: 大井オートレース場、墨田区本所、浅草六区~仲見世、

    三河島・ハモニカ横丁、上野駅~上野公園

第6作 「夜の野獣」 1957/12/22 公開

  ルノーのタクシーとかタクシーの営業所がけっこう出てくるんだけど、

  1957年当時のコンドルタクシーと日野ルノーがバッチリと登場してる。

  「日野ルノー4CV」 は63年まで製造されていたらしい。

  俺がものごころついた時分には、ルノー4CVのタクシーは記憶にない。

  コンドルタクシーは1955年の創業なので、これもホンモノだろう。

  コンドルの大きめの営業所はたぶん本社のみだから、練馬本社だ。

  丸ノ内線も、1954年1月に開業だから、駅も電車もまだ新しいな。

  モノクロでよく分からんが、駅のホームも車両の中もピカピカに見える。

  事件の起きた「小石川駅」は、丸ノ内線が地上に出ていることからも、

  「茗荷谷駅」と見て間違いない。小石川車両基地、春日通りが見える。

  新宿と池袋の駅周辺の街並み、当時の東京警察病院は飯田橋、

  日暮里駅に近い踏切(常磐線を斜めに渡る、高架は京成線)の場面、

  最後に犯人を確保する操車場は、南千住近くの隅田川(貨物)駅だ。

  「エントツ」=タクシー用語:メーター不正行為。空車のまま客を運ぶ。

  旗のような空車表示を立てたまま客を目的地まで乗せる行為。

第7作 「七人の追跡者」 1958/6/10 公開

  冒頭の場面で、女性の変死体が発見されたマンホールの場所は、

  「東急不動産渋谷営業所」、交番の前の「溝ノ口病院」の看板から、

  最初は高津駅から府中街道を東へ行った先と思ったが違うようだ。

  捜査一課の神田隆が電話で、タマガワ署、セトマチとか言ってる。

  玉川署の瀬田交番というのが玉川通り246号にあるな。ビンゴだ。

  瀬田2丁目だ。南へ下り坂で、道路の両側は木々がたくさんある。

  さらに下ると細い河川が下を横切って、道は若干左にカーブしている。

  工事していたマンホールの場所は、今の高島屋の辺りですなあ。

  冒頭の交番から、警視庁の建物、110番の受付部屋、捜査一課の

  部屋とかは、全てホンモノであろうな。出動シーンもホンモノの警視庁。

  パトカーや鑑識車も、ホンモノまたは、お下がりじゃないかと思われる。

  前作で犯人役の大村文武が今作と次作で3番目クレジットの刑事役へ

  格上げとなる、同じく東映で「月光仮面」 シリーズを演じる直前の頃だ。

  TBSドラマ 「七人の刑事」 1961/10/4~1969/4/28 と関係あるのか?

  その前身作品 「刑事物語」 TBS 1960/12/8~1961/9/28 全43回も

  堀雄二が課長役だが、まあその系統の作品であることは間違いない。

  堀と花沢が被害者の職場のマネキン会社へ行くのに東急バスを使い、

  「八重洲口行き」のバスで「中之川橋」停留所で降りているが架空だな。

  ただ、「スタイル商会」 というマネキン会社は実在する、した?らしい。

  小石川にあるようだが、この場所は明らかに違うどこかの川沿いだ。

  堀と大村が車で銀行と宝飾店へ行く場面、新仲見世と書いてあるので、

  浅草と思ったが新仲見世はあんなにキレイではないし直線道路だ。

  当時の目黒通りの地図を見たら、道路のカーブも似てるし、駅前には

  既に大きな三井銀行(現在の三井住友銀行)があったので目黒ですな。

  銀行が目黒、途中で寄ったガススタンドが上馬、殺害現場が瀬田。。。

  これを主犯の車での事件当日の足取りとしてるわけだな。

  神田隆が地図上で指さしてたのはウソっぱちだろうけど、直線にはなる。

  最後の場面は、渋谷の東急文化会館の前で日中にロケしてる。

  60年前の渋谷駅前、明治通り沿いはこんな感じでしたーーー。

  渋谷パンテオンではジャック・レモンの「カウボーイ」が上映中でした。

  「チュウブル」=使用され少し古くなっていること、使い古しほどでない。

  チュウブルの車とか、チュウブルの男とかって言うらしいな。

 

第8作 「魔の伝言板」 1958// 公開

  珍しくもないが、当時の上野駅の構内の様子がバッチリです。

第9作 「顔のない女」 1959// 公開

  ほぼレギュラーだった潮健児がとうとう主犯役に出世して勇退ですかね。

  次作からは出演していないように見受けられる。

第10作 「一〇八号車」 1959// 公開

  冒頭で事件が発生する坂道がどこかは、あの映像だけでは分かりません。

  でも、まあまあ高級な住宅地っぽくて、しかも田舎ではなさそうです。。。

  事件発生直後に警官が、「~場所は三河台町27番地~」 と連絡している。

  そんな町名あるのかよ!と思ったら、当時の港区にはありました!

  みかわだいちょう、ではなくて、みかわだいまち、でした。

  三河台公園というのが現在もあります、東京ミッドタウンの付近ですな。

  緊急招集の様子が見れますが、制服警官が刑事の自宅まで行ってます。

  電話で済むだろ!って思ったら、まだ一般家庭には電話はないのが普通。

  府中運転免許試験場の場内のコースとフロアの様子がバッチリ見えます。

  パッと見は、どこか田舎の合宿で免許取るとこかと思っちゃったんですが、

  コースの形とかが一致するので、間違いなく当時の府中試験場です。

  若き日の浜田寅彦の上の前歯がゴッソリないのが衝撃的でした。

  あの小型トラックは、今も残ってる車両あるのかなあ、53年式か。

  トヨペット・トラック 1.5リッター、SK型とかRK型とかいうやつだそうだな。

  曽根晴美をサガミデンキから連行して行った警察署が〇布って見える、

  調布警察署?いやあ、そんなわけない。じゃあ、麻布しかないですねえ。

  そもそもサガミデンキがある通りは府中~調布近辺のわけがないんだ。

  あんなに電気屋がある通りは、当時は秋葉原しかありえないと思うわけ。

  当時の麻布警察署は、今の六本木通りの場所でなく虎ノ門だったらしい。

  免許試験場で顔写真の確認をするために紙の束をずーっと確認したり、

  警察署で交通違反や事故の調書を分担して徹夜で探し続けるとか、

  バカげてる!これも時代なんですなあ。今、見ても別の種類の感動になる。

  最後に犯人を捕まえる地下駐車場、あの当時におそらく銀座近辺で、

  地下3階まである駐車場ってどこ?面積はデカくないからビルだろうな。

  弥生廟=丸の内公園内の弥生慰霊堂

  この敷地内の様子は、60年経った現在もあまり変わりありません。

 

第16作 「一〇八号車」 1961/9/13 公開 15作と同時制作・上映

  少女の死体が発見された場所は多摩川の宿河原(二ヶ領宿河原堰)。

  水門の建造物と橋が残っているが、それ以外はそれなりに変わっている。

  まあ水門とかは古くなると使えなくなるので、壊したり門柱だけとかに

  なっているケースは珍しくはない。