゛私が居なくなったら嬉しい?゛
と言ったら
゛何でそんなこと言うの?゛
と言った。
少し怒ったようだった。
私はほんの少しだけ温度の変わった空気に気がつかないふりして
゛だってあなたはいつもひとりが好きって言うから。゛
そして息継ぎしないように、
゛年をとって独りになったらどうなるのかな、って思って。゛
と付け加えた。
その後も私たちの会話は続いて、あなたは
゛妻に先立たれた男性は、その逆と比較して平均余命が短い゛
とか言っていたと思う。
私はそんな会話をしながら、私と一緒いなければこの人はこんな事とは無縁だったのかもしれないのに、と考えていた。
そんなことを考えたのはたぶん、昼間に思いがけず遭遇したある人のことを思い出したから。
人生の分かれ道、
私は自分が不幸せとは思わないけど、私と関わった人達を幸せにできてきたかについては、全く自信が無い。