ネコと公園の小道を登ったら、ヤマブキの花がもう咲いていました。
八重のかわいいヤマブキ。
八重ヤマブキの花を見ると昔知った短歌を思い出します。
「七重八重花は咲けどもヤマブキの、
みのひとつだに なきぞあやしき」
これは回りくどい話なのですが、作者の元に雨の降るときに
雨具を借りに来た人が居たのですが、
あいにく雨具が無かったのでその言い訳として、
蓑一つなくてごめんなさいと、実が生らない
(実のひとつだに無き)
ヤマブキの花を手渡して謝っている句なのですね。
蓑一つだに無き・・・・
70年代になると、蓑は傘になり
傘が無い事を嘆く陽水の歌が誕生しました。
都会では自殺する若者が増えている・・・
だけども問題は今日の雨、傘が無い・・・・
君以外の事は考えられなくなる、
それは良い事だろう・・・
ここには、言葉遊びでは無い
若者の刹那的な事しかできない自分や社会への
いらだちが感じられ、聞いていて心穏やかではいられません。
しかし安定してなんの不安が無い時代なんて無かったし、
実は蓑の時代の方が餓死者が出ていたり社会は
陽水のころより辛かったはずなのに、のんきなものですね。
社会はこういうものだ、とあきらめていた時代から
それはおかしいんじゃないかと言える時代が来ただけ
実は進歩しているのかな?
何はともあれ、
野の花はいつも美しく季節を告げてくれます。