昨日は”戦火の馬”
というスピルバーグ監督の映画を見ました。
この映画は第一次大戦下で軍馬としてイギリスからフランスに送られた
”ジョーイ”と言う馬とその馬にかかわった、イギリス人
ドイツ人、フランス人との物語です。
第一次大戦時、馬は戦争の機動力の主役でした。
早く移動できる乗り物として、荷物運搬として、働き
動けなくなった時は、食料として供給される有用で貴重な家畜として
扱われていました。
この戦争ではイギリスから軍馬として送られたのが100万頭、
帰宅できたのは6万2000頭しかいなかったそうです。
軍馬のジョーイは元はイギリスの小作人の息子アルバートが
労働の友として可愛がっていた馬です。
その馬ですが、家計の足しに軍馬としてニコルス大尉に売り渡しますが、
ドイツとの奇襲戦であっけなくニコルス大尉は戦死し、
ジョーイはドイツ軍の馬となります。
ドイツ軍でのジョーイの管理をしていたのは、
まだ共に10代の幼い兄弟でしたが、
弟が前線に行くことになった時、兄は弟を連れ
ジョーイに乗り脱走してしまいます。
しかし、ある農家の風車小屋に隠れていたところを見つかり
射殺されてしまいます。
その風車の持ち主であったのがフランス人の祖父と孫娘エミリーです。
一時静かな生活がジョーイに訪れますが、
ドイツ兵士のより軍馬として、また没収されてしまいました。
ジョーイはそこで大砲を引く力馬として駆り出されますが
そこでも馬の健康を気遣う一兵の情により
解き放たれます。
戦火の中、逃げたジョーイですが
戦場の中間地帯で有刺鉄線に絡まれて動けなくなってしまいます。
それを見て哀れと思い、イギリス兵が白旗を上げて一人
またドイツ兵も一人歩み寄り敵味方同士
有刺鉄線をはずしてあげます。
そしてジョーイを助けた二人の内コイン投げで所有権を得たイギリス人が
ジョーイを手に入れます。
味方陣営に戻りましたが、足を負傷したジョーイは
安楽死の選択をさせられることになります。
しかしそのにジョーイを追って志願した最初の飼い主のアルバートが
奇跡の馬の評判を聞きつけ再会を果たします。
馬、いや人間であっても戦争下では集団の中の駒として
規律を重んじられ、外れたものは非情な罰を受けます。
しかし個人に置いては、憐れむ気持ち
情、そういう優しい感情を持つ普通の人たちであります。
敵前で後退したものを撃てと言われても
撃てないのが心を持った人間、
そう言う気持ちが有るから、
時として命の危険にさらされても、大切に思うものを助けたり
するんですね。
ジョーイは馬としての身体能力
後巡り合った、人達の人としての情によって
命をつないで来れました。
サザンの”私はピアノ”の歌詞に
繰り返すのはただ、lonely play・・・・
というフレーズがあるけど、馬は自分の感情でただ
安全な場所に帰りたい、それだけなのかもしれない。
それなのに擬人化しようとした演出はちょっと違和感がありました。
ドイツ人兄弟の脱走に、馬がかわいそうだからって思って
手伝ったなら一緒に処刑されますが、走る道具だからこそ
また命を長らえ使われることができるんです。
とは言えヒューマン好き
動物好きの私には、
アルバートのピュアーな心、勇気
ジョーイのたくましい生命力
なかなか楽しい映画でした。