旦那が上野の美術館に行くよ~って言うので

てっきり


49歳から始めるおしゃれの練習

これを見に西洋美術館に行くのかと思いましたら


平成館で展示中の空海と密教美術展のほうでした。


49歳から始めるおしゃれの練習

なんか立体曼荼羅化してますねぇ・・・・大仏


行きの電車で梅原猛の”空海の思想について”って本を渡されて

読め言うんで読んで予習できたので

密教展も興味を持って見ることができました。

(薄い本でよかった~~)


空海と言う人は

地方豪族出身(四国です)の一教養人が

私財を投じ遣唐使というギャンブルに出ることで

中央に躍り出て活躍の場を与えられた縁故でしか役職に就けなかった

当時としては珍しい出世を遂げられたサクセスストーリーの人です。


当時重要とされた書や漢詩への造詣が深い一族に生まれた幸運が

中国で遣唐使の船が海賊船嫌疑をかけられたとき

素晴らしい嘆願文を書いて

危機を救うことになったり


また遣唐使は20年中国に居て勉強しなくてはならないので

さっさと2年で切り上げて私財で買いあさった当時の最新の技術や

(土木や薬学にかんしての書籍も多数買っています)

日本の政府が欲しがっている密教という新しい思想を

日本に帰ったりとても用意周到でもあります。


こういう事は大罪なあたるのにそれも機転と政治力で

見事に切り抜けていています。


なぜこれほどの賭けに出たのかと考えるに

疲弊した社会を立て直し暮らしを少しでも豊かにしたいと考え

国民の心の平安も宗教で救いたいという想いがあったからだと

思います。


展示物では、私は空海の書に心奪われました。

草書の流れるような文字はリズム感があり力強いです。

伝説の人がこうして実際に生きて文字を書いている事実も

なんだかうきうきします。


友人の娘は歴史なんか勉強することないじゃんって言うけど

書一つをとっても、時代背景やその人の業績を知って実物を見ると

同じものでも物に血が通いだし

かけがえのないものと感じるようになりますね。


展示は

空海の紹介コーナー

遣唐使時代

帰国後、密教を紹介している活動時代

空海入定後引き継がれる密教


このように体系的に羅列されています。

東寺から国宝多数持ち込まれた立体曼荼羅の世界は圧巻であります。


良い美術展で大満足でした~