かい枝さん、兼好さんの落語見てきました~
高校時代の友人と行ったんですが、
聞けば喬太郎のファンで
(私がかい枝さんを知った笑福降臨というNHKの番組で
喬太郎ファンになったなんて頭の構造似てるのかも・・・・)
これなら面白さが解ってくれるだろうな~って期待していたけど
やっぱり、
面白かったと、喜んでくれそれだけでも顔が立ちました。
ついでに今度は、友人が風間守夫のファンだっていうんで
風間守夫と喬太郎のコラボ落語に付き合うことになりましたよ。
私の方は次回のかい枝、兼好さんの会の約束しました。
さてさて今回の演目はこちらです。
前回この下に立っていて、なぜか見知らぬ他人に写真を撮られて
勘違いしてました。
この日の楽しみは口入り屋です。
口入り屋っていうのは、今の人材派遣業ですね。
ここで、新しい女中さんを斡旋してもらうため
古着屋の奥さんが丁稚を使いに出します。
古着屋は男しばかりの商売なので、間違いがあるといけない
という配慮から器量が良くない娘を寄こすように
口入り屋には言ってあったのですが
いつもブスばっかりで面白くないというので
番頭が丁稚を買収して、今回は器量の良い娘を
斡旋してもらうように謀ります。
無事器量よしを斡旋してもらい、
そこで番頭がとんでもない事を言い出します。
給料は、五円でそう高くは無いけど
これがやり方で十円、二十円にもつくか解らない。
どういうことかというと
ここの五円の商品を娘が分割払いで買うとして
最初はお金がないから五円のうち五十銭だけの内入れやで、
嫌な顔一切せず「よしよし」言ぅてね五十銭入り、
書いとくでしょ。
またしばらくすると三十銭入り、二十銭入り、十銭入り、五銭入り、三銭
入り、二銭入り、一銭入りと、
七、八へんも入った頃に帳面のほぉ筆の先で
ドガチャガ、ドガチャガ、ドガチャガ……、
ドガチャガ、ドガチャガ、ドガチャガ……、
ドガチャガ、ドガチャガ、ドガチャガ……
ここんとこよぉ
聞ぃときなはれ。肝心なとこだっせ、ここのところがね。
何べんも
ここんとこよぉ
聞ぃときなはれ。肝心なとこだっせ、ここのところがね。
繰り返します。
これね~
番頭の立場を利用した、犯罪ですよね。
帳簿の虚偽記述だし
横領だし
セクハラだし
この辺のエロ親父のぎっとん、ぎっとん感と
権力を盾に大声で承服させようとする威圧感
話途中で奥さんに呼ばれて娘は居なくなっているのに
延々話つづける間抜けな感じが
良く合って居ました。
兼好さんが上善如水という
淡々としたところに、しゅしゅっとおかしいことを言うのと
対照的に
こってりガソリンを溜めて、溜めて
エンジン内で爆発するその破壊力が魅力だと思います。
落ちを言う前のほんの一瞬の間に
エクスタシーを感じている様な・・・・・
歌舞伎の見得を切るように客をかい枝さんのビリケン眼に集中させ
落とします、
枝雀師匠が緊張と緩和ってよく言っていたけど
そういうことです。
この後話ですが、奥さんのところで面接があり
娘が諸芸百般に通じて美人という
鬼に金棒であることが判明し
店ではなく奥使いになります。
この日から、住み込みになるというので
店は番頭の思惑で急きょ早じまいになります。
皆を早めに寝かしつけて夜這いしようとする腹ですね。
それでもちろん何人か夜這いを挑戦してみますが
見事に失敗し痛い目に遭うという話です。
古着屋という商売は、相手の懐具合
金の切迫具合、商品を見る目のあるなしで
いかようにも買い値が付く利幅の大変広い商品だと思います。
店側も、赤字を出さずにうまい事商売を回してくれているうちは
不正を薄々解ってはいても安月給で働かしている手前
見て見ぬふりをしているのかもしれませんね。
まあ、こんな話を見聞きしつつ
世の中、裏に回ればこんなもんですよと
ダブルスタンダードが解っていたんですね。
かい枝さんのもう一つ演目は
恋する乙女
友人はこっちがえらくお気に入り
やりなれた演目ですからそつなく
伸ばすのも縮めるのもいかようにもなりまっせ~というくらい
身についている感じがします。
兼好さんが、こんなに短くしなくたって良いのに~って
ネズミのまくらでぼそっっと言うのが可笑しかったです。
確かにもっと聞きたかったです。