”グッドラックららばい”
此処のところマイブームになっている
平安寿子さんの小説です。
大変変わっている家族の物語です。
お母さんは旅芸人に付いて行ってしまって以来
20年も家を空けて、
お父さんは、その事にとがめだてもしない
ただ自分のしたい事を淡々として時を過ごし、
長女はセックス中毒でダメな男に貢ぐ事を
生きがいとして生き
次女は金持ちになることを目的として
人生を生きます。
以前”岸辺のアルバム”と言うTVドラマが有りましたが
そこでは表面上は何の不足も無い家族が
実は母は不倫をして、
父の会社は倒産寸前
姉は家族に心を閉ざし
そんな状況を末息子が思い悩んでいます。
岸辺のアルバムでは家族の絆は断たれていて
それでも体裁だけで表面上よき家族を演じていて
それが崩壊して行く物語なのですが
親戚や御近所は、うらやましい家族として
見えています。
一方、グッドラックららばいでは
母親が蒸発して周りからは変わった家族として
嘲笑される存在なのですが、家族はそんな世間体を
一切関与しません。
自分の思うとおりの生き方を、各個人が貫いていて
各個人の共同体が家族であると言うかかわり方を
持っています。各個人が馴れ合わず自立しているんですね。
そもそも家族は一身同体だなんて思うのは幻想なんです。
家族で有っても一人一人の個人の集まりなんですから
なんでも共有できるなんてそんな事したら
不満が出たりほころびがどこかに出てくるものです。
人は自分の人生は他人に指図されず
自分の意思で生きたいと願うものです。
一人で生まれ一人で死んでいく定めの人間
例え家族であっても、頼らず甘えない自立した
個人で自分で責任を取るそうした新しい家族のあり方を
教えてくれています。
って真面目な話しではなく
おっそろしくすっとぼけたコメディーなんですが。。。