トイレで昔の雑誌をぱらぱらめくっていたら
”江戸しぐさ”
と言う記事がありました。
「傘かしげ」「肩引き」「こぶし腰浮かせ」
など以前CMなどで流れた事もありましたよね。
江戸しぐさと言うのは
江戸時代の商人の方便,
(方便って言うのは真実ではないけど有益な方法
って意味です。)
商人は当時の武士
というモンスタークレイマー相手に
いかに潰されず(下手すりゃ殺されちゃいます)
に上手に立ち回るかという処世術が元で
やがて生活哲学へと昇華されて行ったものなんだそうです。
江戸しぐさ、
http://www.edoshigusa.org/
HPなど見ると
昔は良かった~のような郷愁と
それに比べて今は、と言うおきまりの道徳的お説教が
対になっていて、なんか胡散臭い感じもします。
それと時代劇などを見るとき全体に言える事なんだけど、
どうしても現代を知って過去の歴史を知っている私たちが
過去を見ると、現代的考え方をそういう考え方が
無かった時代にまで勝手に付け加えちゃう
部分があるけど、それは正しい認識では無いよなって
思う部分が結構見受けられるんですよね。
まあそんな事を踏まえつつ
江戸しぐさはもともと対人関係がギクシャクしそうな時の
その場の対処法で
継続的に深く友情を結ぼうとかそういうものでは
ありません。
小さな火種が殺生沙汰に及びかねない
人口過密都市で、どう日常を安全に穏やかなものにするか
という処世術ですので
自分と言うものの我を通しすぎない
相手を思いやる事がひいては自分に返ってくるという
考え方です。
昔も色々物騒な事、悪いやつ礼儀のないやつが
沢山居たから、
そいつは野暮だよと
ファッションや美意識に訴える事で
行動を戒めていたんですね。
こういうさりげない優しさの下の
したたかな逞しさを私は、嫌いじゃありません。
まっとうな事をまっとうだと、がんがん言う人間を見ると
あまりに自分の意見だけを通そうとする気持ちが
見るものに共感を与えません。
下手をすればエゴのように捉えられてしまいます。
人間の気持ちを汲み、
自分の我を抑える事で返って自己を浮き出していく
そういう手法も一つのやり方なんだなと思います。