昨日の帰宅途中のお話です。
乗換駅のエレベーターに乗った所
途中階から何人かの老若男女が乗り込みました。
なにかお話をされていたので顔も見ず
家族かグループなのかと思いました。
その中の70歳前後の男性が、
”俺の頭もいのまにかはげちゃったよな～”
と少し大きな声で女性に
話していまして、
その声の先の後頭部をみると
言ったとおり後頭部波平状態で、
しかし残った裾の方は白髪染めで
真っ黒になっていたので
若く見えるように？身だしなみに気をつけては
いるんだなぁ～と
その位の状況認識でした。
また男性がこの辺で夕飯食べちゃいますか？
って聞いていらして
○○駅で降りるから、そこで良いでしょう。
と私が下車する一つ先の駅の名を女性は言いました。
女性は男性と同じ70歳ほどの年齢で
少し抑えたアップルグリーンのショートコート
がパーマの掛かった白髪が勝ったショートヘアーに良く映え
なかなか品のある感じに見えました。
電車に乗った後は、もう離れて
そのカップルの事は忘れていたのですが
自分の最寄り駅に降りて
エレベーターに乗ったらまた、一緒になりましたので
あれ一つ先で降りるんじゃなかったのかと思いました。
私は帰宅時間が遅くなっていたので、スーパーの閉店時間が
気になり少しでも早くスーパーに入りたいと
そのことばかり気になっていたので
全然関心は無かったのですが
初老の波平がエレベーターの鏡を見て
”俺疲れた顔しているな～”
とまた容姿を気にする発言をしまして
それを受けた女性は
”私のほうが年取ってやつれていますよ”
とかなんとか話すと
いきなり
”いやあなたは私には太陽に見える”
と褒め称えたので
うわぁ！来ました。
と言う感じでお酒もまだ入っていないだろうに
びっくりしてしまいました。
しかし私は買い物と言う現実にロマンは打ち負かされ
そそくさと買い物先にまっしぐらで
もうそれっきりでした。
後で考えると断片だけの会話でしたが
なかなか面白いなと
男性はしきりに自分の衰えた容姿を女性に嘆きますが
これはこんな自分ですが、彼方のお相手になりますか？
と言う切ない嘆願なのであります。
女性は男性のハイテンションの声より押さえ目で
落ち着いて状況判断をしています。
男性は口説きを、女性はその口説きを聞くことを
楽しんで居るように見えました。
一つ前の駅で降りるのは男性のエスコートに
従ったという事で良い感じなのではと思います。
年を取ると悩みばかり増えるものです。
健康の衰えやお金の事あれこれあれこれ
なかなか明るくはなれません。
ですがこの波平の脳内は
恋が実るかどうか全速力で、ほかの事は
見えていません。
ただたた、恋の為に今現在をせいいぱい生きる男になっています。
動物も恋の成就に並々ならない努力を致します。
ある鳥はメス鳥が好きな青いものをたくさん集め
ある動物は自分の美しさを誇示し
ある動物は強さをアピールします。
それが自然の事なんです。
動物のオスがメスを求めるのは
自然で人も動物なのです。
人間も生きる本能に即した恋という
行動を行なう時
つまらない悩みや解決出来ない問題から
開放され人らしく（生き物らしく？）
居られるんだなと感じます。
愛の格言集と恋の格言集、色々な格言集を集めた
人が何より”恋の格言集を集めている時が
一番楽しかったと言っているけど
それは動物の本能として相手を得られるのかどうか
一番アドレナリンが発散される機会だからなんだと
思います。
花は紅、柳は緑
天地自然の有るがまま・・・・・
幾つになっても、恋は素敵なものですね。