http://cgi4.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20101027
NHKの試してがってんで
オンナをあきらめない!40代からのからだ管理
と言う放送で、更年期治療の実際についての
考察がありました。
女性は種別に関係なく大体50歳前後で
卵巣の働きが急に低下してきます。
卵巣の中の卵子の量は母親のおなかの中にいる時
もう一生分の個数が決まってしまいますので
それを順順に使っていくと大体この時期卵子が
使い終わってしまって同じ時期女性ホルモンも
出なくなって閉経を迎えます。
だから女性の更年期は一定の時期急に来るんですね。
昔はこの時期に寿命も尽きていたので
更年期の悩みと言うものは問題視されていませんでしたが
平均寿命が延びることで、更年期の問題が
クローズアップされてくるようになったのです。
卵巣には卵を産む役目
(使われないと生理で流れます)
あとホルモンを分泌する役目を持っています。
(エストロゲンとプロゲステロン)
エストロゲンは
子宮の壁を厚くし
脳の血流を増やし
悪玉コレステロールを減らし
コラーゲンも増やし
骨密度を上げ
女性の身体全体を守ってくれているのです。
このホルモン、特にエストロゲンの減少が
不眠、肩こり、憂鬱、動悸、ほてり
冷え、疲労、汗などいやな症状を引き起こします。
エストロゲンが減ると認識できない
脳の視床下部が混乱して
自律神経に間違った指令を出してしまうことが
こうした更年期特有の症状を引き起こしてしまう
原因です。
そこで、減ったホルモンを補ってみましょうと言う考えで
ホルモン充填療法という治療が生まれてくるのですが
日本では、がんリスクの増大に対する世界の治験結果を
受けて極端に治療を受けていない現実になっています。
副作用としてのがんのリスクを検証しますと
(通常でも年齢とともにがんは増加のします)
子宮体がんでは、
無治療ですと
10万人に対しかかる人は245人
それに対し、エストロゲンだけ補充すると
10万人に対して390人に上昇します。
これに対し、エストロゲンとプロゲステンを併用しますと
10万人に対して49人になります。
エストロゲンは子宮の壁を厚くする作用があると言うことは
細胞の分裂を促進する働きがあるから癌細胞も促進させる
危険があるのです。
一方プロゲステンには細胞の増殖を抑える働きがあるので
併用するとリスクが減るのです。
乳がんには日本ではリスクが6割減ったと言う治験情報があります。
一方アメリカで過去大規模な治験で増えたと言う情報が
出回りましたが、これはアメリカで心筋梗塞に女性ホルモンの投与が
効くかどうかという治験で
年齢が65歳で心筋梗塞のリスクのある人が
多かったのでホルモン充填療法が必要な50歳前後の
対象者とは異なっていたのでこういう結果になったのだそうです。
がってんでは、
3年くらいの治療なら乳がんのリスクが増えることは無いと言っていました。
逆に言うと肥満気味で喫煙者で高齢なら更年期治療は
しないほうが良いと考えることが出来そうですね。
いずれにせよ長期的には、リスクは増えることは事実なのですが
2~3年をめどに症状緩和のために行う分にはあまり
問題は起こらないと言う事実は重要です。
症状は2~3年で止めても復活はしないのだそうです。
症状を我慢して寝たきりですごすより
治療を選択してクオリティーオブライフを優先するのも
ひとつの考え方ですね。
この治療を受けるにはがん検診を受けることも
必須です。
無治療でいるより毎年検診を受けることで
身体を管理できて良い事もあります。
ホルモン充填療法をすると
健康チェックができること
(通常がん検診は2割しか受けていないらしいですね)
また若いころのホルモン量を補充するわけではない
症状の緩和が目的なので
いつでも止められます。
この治療に向かない人は
乳がんの人
重篤な肝疾患
後エストロゲンは血液を固まりやすくするので
血栓症を誘発する恐れがあるので特に肥満の方では
足にうっ血して血栓ができることがあるので治療には向かないそうです。
体型が細くてきしゃで皮下脂肪が少ない人に向く治療で
肥満で筋骨隆々で高血圧で喫煙者なんて場合は
いろいろよろしくないらしいですね。
http://www2.kmu.ac.jp/openSeminar/open08/08kanzaki.html
こらも詳しい説明で考える礎になってくれると思いますので
検討される方は是非お読みください。