どの本だったか忘れちゃいましたが
開高健のエッセイに
こっくりさんにのめり込む母親の事を書いていたものがありました。
戦時中で食糧難で何処に行けば闇の物資が手に入るかとか
いろいろな事をこっくりさんにお伺いを立てていたようです。
開高少年は
そんな根拠の無い事は止めろ
怒るのですが、
その時は普段おとなしい母親に大反撃を食らいます。
やったってやらなくたって現実は変わらない、
あんた怒れば食べ物を見つけてくれるのか?
見つけられないのに、どうしてこっくりさんを批判するんだ、
というような事を言われぐうの音も出なかったようです。
占いや
辻褄の合わないもの
いかがわしいもの
太古の昔から連綿と信じる人が居る。
科学的な世の中になったように見える昨今でもびっくりするほど
人々はそんなものに迷い、救いを求めています。
こっくりさんは、開高さんの母親にとって
遊びであり、息抜きであり、希望であったんですね。
どんな状況に有っても、
人は救いを求め希望の火をなんとか探そうとする生き物なんだと思います。
それが嘘だとわかっていても、
希望を失うほうが怖いのです。。。。
信じたい人が居るかぎり
嘘も売り物になります。