今しがた私の住む町では雨が降り始めましたが、
天気予報では雪の予報、しかも積もるかもしれないとのこと
雪が積もれば都会では、交通機関も麻痺するでしょうし
バスやタクシーや宅急便や時間を追う仕事の方はさぞ気がもめることでしょうね。。。
降る雪は あはにな降りそ 吉隠の
ふるゆきは あはになふりそ よなばりの
猪養の岡の 寒からまくに
ゐかひのをかの さむからまくに
穂積皇子
(ほづみのみこ)
巻2 203
こちらは万葉集の穂積皇子の御歌です。
降る雪よ、そんなに沢山降らないでおくれ・・・・・
(私の妻の眠っている)吉隠(奈良の長谷寺あたり)の猪養の岡も寒いだろうから
題詞に「但馬皇女の薨ぜし後に、穂積皇子、冬の日に雪の降るに御墓を遙望し
悲傷流涕して作らす歌1首」とありますから
お墓参りをした時、亡き人を偲んで歌った御歌です。
高校の古典の授業で、おじいさん先生が朗々と嬉しそうに万葉集を
読むのが心地よく、数少ない楽しい授業でしたね。
この亡き人とは但馬皇女で異母兄弟でしかも高市皇子の奥さんでありました。
政略結婚で高市皇子にもとに嫁ぎましたが、異母兄弟である穂積皇子と
恋に落ちてしまったのですね。
やはりこういう近親結婚が認められていた当時でさえそうとうスキャンダル
な事だったようです。
但馬皇女は穂積皇子を想いとても情熱的な御歌を残されています。
しかしその恋も但馬皇女が亡くなる事で終わりを告げます。
そうして恋する人が亡くなった後に、そのお墓、
その当時はどんなお墓だったのでしょう?ね墳墓のように小山になっていたのかな?
その景色を見て、但馬皇女のまっすぐな情熱を思い出したのでしょうか。
当時は恋するとは言え、隠し立てもしない皇女に将来のある穂積皇子は内心
やばいなぁ~っという気持ちと恋する気持ち、色々想いが逢った事だろうと想います。
それでも、月日が流れ、、、
恋しい人はこうして冷たい岡の下で眠る今は、、
まっすぐな但馬皇女の想いだけが残っていたのでしょうね。
あらら、雨が本降りになって来たようです。
どうか雪になりませんように・・・・・・