大分昔、幼稚園に通っていた頃、
そこがお寺が運営していた幼稚園だったので、
良く子供用に仏教説話の紙芝居を見せてくれてました。
芥川龍之介の仏教説話集も有って、子供ながらに芥川の紙芝居は
特別印象に残っていました(なんせ今でも覚えているんですから)
題が思い出さないのですが(この話の題、解る方いらっしゃいますか?)
こんな話です。
ある男が、虎に追われ逃げ惑う時に足を踏み外して、
穴に落ちてしまいます。
なんとか絡まる木のツルにつかまり落ちるのを免れてほっとするのですが
落ち着いて下を見てみると、そこには口をあけたワニがこの男を落ちてくるのを
待ち構えていました。
上は虎、下はワニ・・・・・
絶体絶命でどうにも動けない中、絶望感に包まれたこの男のほっぺたに
上のほうからぽたぽたと何かが落ちてきました。
ふと舐めてみるとそれは”蜂蜜”でした。
こんな物語で、
その後どうなったとか記憶に無いのでこれでこの話は終わりなんだと思いますが
自分も幼稚園から人生を重ねて、
知らず知らず同じような状況に多々陥ることがあります。
にっちもさっちも行かない状況ですね
そんな苦しい時も、こんな蜂蜜があれば栄養も取れるし、
状況の変化まで我慢できる体力が付けば、ことによれば根負けした虎が
居なくなってくれるかもしれないし、別の活路を見つけ出すチャンスだって出てくるかもしれない。
蜂蜜の恵みは生きる力を与えてくれた事でしょう。
人生万全、なんて状況は普通はあまり無い事だと思います。
生きる世界は変化していくから
だれもがこの説話集の様な状況に陥る可能性はあるのです。
人生ってつまりこんなものなのです。
そんな状況下でも、なにか蜂蜜のようなもの
希望があることも忘れてはいけないと思います。
考える時間と楽天性がまた明日を切り開く原動力になります。
今年1年、ご苦労様でした。
皆様も良いお年を・・・・・・