静かな空間で、好きな絵を眺めて、無になれる癒しの時間。


近くでまじまじ見るとこんな感じで繊細なタッチで描かれていて、やっぱりこの作品好きだなと改めて感じました。

こちらは第19回安井賞展(1976年)
安井賞受賞作
「老いる」という作品。

作者の老いた母親の裸像。
「他人にとっては汚いシワにしか見えないだろうが、私にとっては、一つ一つのシワが私が苦労をかけた想いにつながっている。シワの一筋一筋が私自身なのだ。」
後に「老いた母を写生している間中、涙が止まらなかった。」とも語っています。
自身の母親をモデルとしたこの作品で、三栖右嗣は「老いゆくいのち」に真正面から向き合いました。
(「野の讃歌 三栖右嗣展」カタログより抜粋)
白髪頭、骨と皮になった体、シワの1本1本。
なんだか切ないながらも現実と向き合ったからこその作品。
『対象が放つ真実』に挑む写実画家としてその地位が確立された年、お母さんは天国へいかれたそう。
