先月亡くなった私の父。

私は、自分自身も家族みんなもよく知る親戚もみんなが認めるほど、

確実に父の性格を譲り受けている。

小さい頃はあんまり理解出来なかった父の言動も、

今は、いろいろ共感できる。

 

父が亡くなる前の2,3年は私が企業したこともあり

いろいろ相談に乗ってもらったり、

日本に帰った時には、一緒に出張に行って飲みに行ったり。

元気なうちにそれが出来て本当に良かったな。

 

北海道で生まれ育ち、

沖縄で母と出会い、結婚し。

新婚旅行はあの時代にしては、かなり斬新だったと思うけど、

2人でロシアに渡ってそこからシベリア鉄道乗ってヨーロッパほとんどの国々を回ったと聞いた。

今でこそヨーロッパ旅行する人は多いと思うけど、

4-50年前って海外旅行する人もそこまでいなかったんじゃないかな?

 

大好きな山に登り続け、

好きな仕事を責任持ってやり続け、

40代で会社を立ち上げ、それをきちんと次の代に手渡し、

70代半ばに最後の海外旅行で念願のエベレストを見に行って、

そして去年も、

末期癌の治療を終えて退院した瞬間に家族の反対を押し切って大好きな山を買って、

そこで人生を終えたよね。

 

本当に無鉄砲で、

家族を困らせることは多々あって、

母は本当に大変だったと思うけど、

やることはしっかりやって経済的にもしっかりと家族を支えて、

自分がやりたいこと、全部出来たんじゃないかな、

人生になんの悔いもなかったんだじゃないか、と思う。

 

私は実は、父がそろそろ介護が必要になるかもしれないと思ってたから、

その時には日本で私が介護出来る状態になっていようとまで考えていた。

 

でも、私に介護もさせてくれず、あっという間に逝っちゃったね。

 

きっとそれも父の考えていた通りなのかもしれないな。

介護なんてきっとされたくなかったよね。

 

父のお葬式では

たくさんの供花の数にとても圧倒され、

彼が今まで関わって来た人たちの多さに、改めてすごいなって思った。

 

会社関係の人たちとも話をしたけれど、

みんな一様に父の印象は一緒で、

「大変だった」の一言(笑)。

口が悪かったから、部下にもかなりきつく当たってたんだろうなぁ。

それでも長年父の下や一緒に働いて来た人も何人もいて、

こうやってたくさんの人たちが参列してくれて、

やっぱり私の父はすごいな、って改めて思った。

 

 

そして、私はきっと彼を「父」として選んで

この世界にやって来たんだろうな、と

最近は思う。