2012年1月に書いてる途中でやめてしまった記事
今回、過去の記事を見直している時に見つけたので改めて完成させアップします
漢方薬は何千年もの歴史があるので、15年近く前に書いたものでも同じ、というのがありがたいですね(笑)
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「へんせき」の話で結構盛り上がっていますが、漢方の痩せ薬について、まずはお話したいと思います
ドラッグストアや一般の薬局では、以下の三種類の処方が手に入ります
①防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
これは胃や腸の働きが活発で、食欲旺盛な方向けの処方です
胃や腸の働きが活発な状態を、中医学では「熱を持っている」ということで「胃熱腸熱」と表現しますが、胃は食欲旺盛、かつ腸は熱を持っているため、便の水分をどんどん吸収し、便の流れが悪くなり便秘になります
この「胃熱腸熱」の状態を冷やすことによって食欲を抑え、かつ便秘を改善することで、
結果的に痩せる、というのがこの処方の特徴です
防風通聖散には大黄(ダイオウ)というお腹を冷やして排便を促す生薬が入っているので、お腹に冷えのある方(胃腸の働きが悪い方、高齢者)が飲むと、更に冷えてお腹が痛くなり下痢をしてしまいます
服用してお腹が痛くなったり下痢をする場合は
合っていないので、服用を止めてください
コッコアポA、ナイシトールはこの処方
ロートからもロート防風通聖散錠が販売されています
いつも話していることですが
出来たら粉のタイプの処方にして味をみることをお奨めします
身体に合っていると甘いですので、甘く感じる間は飲み続けてください
早ければその日のうちに便通が良くなり食欲が抑えられます
腹痛や下痢便にならないなら、そのまま飲み続けて大丈夫です
ただし連続使用の目安は2ヶ月位で
2ヶ月飲んでも肥満が改善しない場合は
他の処方を検討してください



②防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)
これは消化機能が低下し、水分代謝が悪い方向けの処方です
人は飲食物から水分を摂りますが、必要な水分だけ吸収し、要らない水分は尿、汗などで体外に排泄します
しかし消化機能が悪い方は要らない水分をうまく排泄出来ず、身体に溜め込んでしまい、それがむくみや肥満、という状態になります
防已黄耆湯は消化機能を整え、要らない水分を排出することによって、むくみや肥満を改善する処方です
基本的にどのメーカーでも処方内容は同じですが、消化機能を高める生薬の一つ、朮(じゅつ)がメーカーによって違い、ツムラは蒼朮、クラシエ・ロート・小太郎では白朮が使われています
私の経験上では、蒼朮を使ったツムラの方が効きがよく「ツムラの方が甘い」と言う方が多いので、ツムラの漢方薬をお奨めしたいですが、手に入らない場合は他のメーカーの処方をお試しください
③大柴胡湯(ダイサイコトウ)
これは気の流れが悪くなったために、自律神経系に影響が出て、イライラして爆食いしてしまい、且つ便秘がちになってしまう人向けの処方です
気とは体中を巡っている、目に見えない物質で、血(ケツ:栄養物質)や津液(シンエキ:血以外の身体を流れている物質)を流す力があります
この気はストレスや瘀血(オケツ:血がドロドロになった状態)などによって流れが悪くなると、気滞(キタイ)と言って。自律神経系に影響を及ぼします
自律神経系に影響が出ると、自分で自分の感情をコントロールできなくなり、ちょっとしたことでイライラしてきます
気が滞る場所は、みぞおちやお臍(へそ)付近で、みぞおちに滞ると、食べた物が下に降りなくなって来るので食欲が無くなります
また、お臍のあたりに滞ると、これも食べた物が下に落ちなくなるので便秘になります
気がみぞおちに滞った場合は、半夏など気を下におろす生薬を使った処方(半夏厚朴湯、半夏瀉心湯、小柴胡湯など)を使い、お臍の辺りに滞った場合は、大黄などの生薬を含む処方(大柴胡湯、大黄甘草湯など)を使います
やせ薬と呼ばれる漢方薬は以上の三つのタイプです
身体に合っていると甘いので、粉のタイプで味を見ながら服用することをお奨めします
もし錠剤しか手に入れられない場合は、1週間分を購入し、下痢や腹痛が起きないか様子を見て、大丈夫なら続けて飲んでみてください
どの処方にしたら良いか、迷ったり、わからなかったり、またどの処方もよく効かなかった場合は、前述の扁鵲(へんせき)を試してみてください
扁鵲は大柴胡湯に似た生薬構成に、他の生薬を6種類ほど加えた処方なのです
生薬の数が多いほど、強い作用が打ち消され緩やかに効いてくるので試しやすい生薬製剤です
私が良くお話しするのは、防風通聖散、防己黄耆湯、大柴胡湯は、洋服でいうとオーダーメイドの服で、その人にピッタリ合った処方を服用する必要があり、ピッタリ合うと劇的に効果が出ますが、合っていないと、不都合な症状が出てきます
一方、扁鵲のような生薬製剤は、既製服のようなもので、ピッタリ合っていなくても、含まれている生薬のどれかが効いてきて、劇的な変化はないけど、飲んでいるうちに段々良くなっていく、という感じです
良かったらお試しください
肥満用生薬製剤「扁鵲(へんせき)」のその後