無事に3月30日に入寮した息子くん。
入寮をどこにするかは2月に見学した所から決定。
我が家の予算6万円前後食事付という厳しいハードルをクリアできる寮候補は大学の学生寮または県人寮関係しかございませんでした。
大学の学生寮は間違いなく通学に便利な立地に構えていますが競争率が高いようで、検討から外しました。
県人寮は、現在住んでいる県の寮、夫の出身地の寮、息子くんが通っていた高校のある県、そして以前にもご紹介した誰でも入れる肱水舎と候補に挙がりましたが、入寮資格や費用と綺麗さ等を総合し、夫の出身地の寮に決定。
とはいえ、夫も一度も住んだことのない土地。(夫は転勤族ファミリー)
本家に戸籍を置いたまま、結婚してもそのままにしていたところで、親戚はいるけど付き合いも浅く息子くんも幼少期に1度行ったきりの場所。
寮は60部屋の半分が空室で余裕があり、苗字がその県では馴染み深いこともあってか、大した審査もなく入寮許可が下りました。
入寮資格は「県に住む子息、県の高校に通っていた子、または所縁のあるもの」。
電話で確認した時に「お父さんが出身ってことでいいですよ」と言われたのに、戸籍謄本(家族分)ではなく戸籍抄本(息子分のみ)で良いという。
一応作文と戸籍抄本を送ったのですけど、万一戸籍を移動してたとしてどうやって夫が出身であることを証明するのだろう。
晴れてゆるーい審査を難なくスルーし、面接のご案内が届く。
その県で面接ですが、遠方だから来なくても良いよと言われつつも、やはりルーツを探る意味も込めて行っておいでと夫とチビちゃんと息子くんの3人は3月中旬に行ってきました。
たった5人しか面接しないのに豪華なホテルでだったようで、どうしてそんなにお金があるんだろうとビックリです。
面接では、代々続く○○藩のお殿様とお話したようで貴重な経験になったようです。
他の子に比較してかなり長いめの面接だったようですが、内容としては「大阪から来たの?スポーツ何してたの?」と雑談ばかりだったそうです。多分学校名のせいかなぁ?
殿は「風格が違った」と夫と息子くんは言ってました。苗字が戦国武将のお名前でいらっしゃいますから、余計に先入観でしょうか。
晴れてにわか県民に成りすました息子くん。
入寮時は不安と期待が交じったドキドキ、ワクワク
廊下で寮のメニューなどを私と息子くんがあれこれ見ていたら上級生がやってきた。
「君、1年生ですか?僕は修士2年の××です、こちらは3年の△△。」
「あ、はい!今日からお世話になります、○○です、よろしくお願いします。」
「あ!○○くん、君が、あの!!」(少々後ずさりの勢いで)
一体これは、なんの反応だ???と見ていると
「あの!!大阪の子だよね?!」
「よくご存知ですね。」
「そりゃそうですよ。学校名が…大阪の…そうか、君が…」
という感じ。
どうやら入寮者名簿の一覧が張り出されているらしく、新1年生も載っている。
在籍校のみならず同郷の親近感を出すためか出身校も書かれるのですが、そこで大阪がついた学校名が目立っちゃったんだなぁと。しまった、悪目立ちしてなければいいけども…と。
だけど良く見ると、10名の新入生のうち、地名の付いた高校名から推測するに
広島や静岡や千葉の高校の子もいて我が家入れて4名は県外の子。
県外だから目立ったというだけでもないような…?
その後、息子くんからの話によると、夜じゅうあちこちで名前を聞かれては
同様の反応をされ続け、またそれがネガティブな感じではなくまるでハリー・ポッターが劇中で常に言われていた
「あなたがハリー?!そう、あなたが!」状態だったそうです。
(ハリーみたいに秘めたる力も何も出てこないけど)
県外人だから物珍しいのではなく、出身高校が珍しかったのです
身近だったから気にしてなかったけど、思っていた以上に全国レベルで有名な学校だったのですね。
大阪出身ということでイジメられたり、肩身狭かったりしないか心配していたのですけど、その逆で
学校名のお陰でチヤホヤされているようで
珍しい転校生、なんなら異国の人くらいの「どんな学校なの???」と興味津々な様子なんですって。
そもそも1年生が入寮する前、名簿を見てザワついていたそうですが、
一体どんな子が?ラグビー?野球?サッカー?バスケ?ゴルフ?
なーんて思われてなかっただろうか
残念ながら実際の姿を見て、小柄な子に拍子抜けしてないかしら
寮対抗の親善野球もあるので、もしも期待してたなら戦力にはなりそうになくってよ。
だけど、早速開かれた寮の食事会では学校名のお陰で大いに盛り上がってくれたそうで
「今日はめっちゃ楽しかったーーー
」とLINEが。
「そう、それは良かったね。あんたの大嫌いな学校も役に立ったじゃない
」
「うん、ほんまやな
初めて学校名で得した。それにほんま、みんなめっちゃ良い人
親切でめちゃくちゃ優しいし
」
ということで。寮生活は良いスタートを切れた模様。
トイレで遭遇した夜型の先輩が夜中0時にスイッチ入って、あれこれあれこれ事細かに案内して回ってくれたり、”夜中やで…”と眠たい目をこじ開けながら上下関係の希薄な高校出身の息子くんは、初めて上級生に気を遣いながらも付いて回ったり
みんな東大や早稲田など賢い人ばかりでありながらも、偉そうな人は一人もいない。素直で温和で優しく、非常に親切。
滞在中、生活用品買い出しの車中で息子くん。
「ホンマにみんな良いひとやねん。ボクは高校の同級生が受験もあってか殺伐としてたのを見てきたから、すごいビックリで。ぼくは今まで何という世界にいたんだろうか…」
とポツリ。
大阪の学校でしたし、また違うのかも。
どうしても、ヒエラルキーのある高校でしたから、ごく一部ですがマウントや威嚇する子もいたと思う。
いまだに「なんでアイツがMARCH?」等と言ってる子がいたなんて話も耳にする様子。
みんな一生懸命に頑張っていたから、団栗の背比べで少しでも抜きん出たいという心理も働いていたかと。
ずっと過ごしてきた同級生は戦友で仲良しでもありましたが、いろんな子がいたのでしょうね。
素朴とはまた違うし。
中高時代はまだまだ子供ですから。
(でもやっぱり中高の仲間とはすごく仲良しです)
大学生になると他者がどうかより個々の問題ですから、大人なだけなんですけどね。
なんたって「ザ・自由」
とはいえ、みんな素朴で心が優しいらしく構えていただけに拍子抜けしている様子です。
素敵な先輩に囲まれて、心も浄化してもらい、いろんなことを学んでほしいと願います。
しかし早速夜な夜な徘徊して騒ぐ学生や飲んでる学生も居るらしい(笑)
そっか、20歳以上は飲みもOKだもんな。盲点だった。
客室に泊めてもらっていた夫も「夜中にどこからか大笑いする声が(苦笑)」とも。
遅くまで騒いでたのはきっと春休みだからでしょうね。
寮長さん夫妻が同じ建物内に住んでらっしゃるので、行き過ぎると注意が入るだろうと思っていますが。
大学生なので、ある程度任せると決めた以上そっと遠くから見守るのみです。