『いのちの ふね』



6月に大好きだった叔父が突然雲の上の人になった


主人の叔父さんで
幼い頃から可愛がってくれて
主人にとってお兄ちゃんのような存在っだった


私と子どもは結婚してからの繋がりだったけど
会うと優しく声をかけてくれて
気にかけてくれて
その笑顔がとても大好きだった


東日本大震災の時には
「元気な声が聞きたかったんじゃ」と
電話をくれ
主人のこと子どものこと私のこと
それぞれを気遣ってくれる
そんな叔父だった


子どもに恵まれなかったけど叔母とは本当に仲が良く
お互いを大切に思っているそんな感じだった


叔母の告別式の挨拶が忘れられないの


「怒った顔を見たことがありません。
最高の旦那でした。」


この言葉を最後に言える夫婦は何人いるのかしら


叔母の心からの言葉


悲しくて悲しくて
お通夜での挨拶は主人が代わりにする程
何も喋れなかった


そんな叔母が細い体でありったけの力を出して
しっかりとした口調で
叔父への感謝の気持ちを伝えた姿は
忘れないと思う


叔母の言葉に
大切な人への想い家族への想いを
見つめ直した人多かったんじゃないかしら


私もその一人



そんな叔母に何か絵本を贈りたくて探していた
「死」と向き合う絵本はたくさんの作家さんが描いている
素敵な作品もたくさんある


大好きな叔父と叔母にあった絵本を贈りたかった



そして出会った一冊の絵本


主人公がいて物語が始まる絵本じゃないんだけど
『これ!』って思った


鈴木まもるさんの『いのちの  ふね』


亡くなった人達は雲の上で本を読んだり
いつもと変わらず笑ったりお喋りしたりしている


楽しかったこと残してきた大切な人のことを思い出しいつも見守ってくれている
思ってくれている


やがて雲の上で元気になり赤ちゃんになって
たくさんの鳥が世界中に赤ちゃんを運んでいく
そして新しい命が生まれる


『命はめぐり、つながっていく』


命はめぐっている


絵本の色も
みんなが寝静まる夜の深いブルーから
しだいに青空のようなブルーへ
そして雲の上、白にうす水色
オレンジに黄、桃は新しい命の誕生の色


読み終わった時
ふうぅ~とやっと息ができる


言葉を大切に
絵を大切に
色を大切に


そして


読んでいる人を大切に



作者の『命』に対する想いが
ページをめくる毎に伝わってくる



叔父もきっと雲の上で
おじいちゃんやお義父さとお喋りしながら大好きな甘いものやお肉を食べているのかな


きっとおばちゃんのことは毎日思い出して
話しかけているんだろうな


この絵本にこのタイミングで出会えたことに感謝します


叔父と叔母のお陰かな流れ星


おじちゃんおばちゃん、ありがとうドキドキ



大切な人を亡くした方へもこの絵本が
届きますように星空