校長先生との約束の日の朝、娘は今日も登校せずに家にいた。
娘には
「校長先生に本当の事話してくるね。先生には、ちゃんと謝ってもらおうね。」
と言って、私は少し緊張しながら、学校に向かった。
約束の時間に学校に行くと、校長室に通された。
そこで、私はあの日に学校でおきたこと、娘から聞いた事をそのまま伝えた。娘の書いた作文を見せながら。
できるだけ、興奮しないように、落ち着いて話したつもりだった。
校長はこう言った。
「お母さん、大変申し訳なかった。
担任の先生にまずは事実確認してみます。」
私は冷静にこういった。
「娘は苦しんでいます。
あの日以来、学校が怖くなってしまっています。
友達とも会いたいと思っているのですが、心の傷がいえないのです。
私たちは、娘の前で担任に自分の間違いを認めて、反省し心から謝って欲しいのです」
「本当に娘さんには申し訳なかった。」
校長は、慌てて謝罪しているように見えた。
この時は。
ただし、この時以降校長から謝罪の言葉を聞くことはなかった。
その時の私には、組織の大きさや、大人たちの保身がどれだけ醜いものか、まだ見えてなかった。