「室井慎次 敗れざる者」「室井慎次 生き続ける者」
29点/100点
監督 本広克行 2024年
私は放送当時、リアルタイムで毎週見ていた生粋の踊る大捜査線のファンだ。ドラマもサントラも全部あるし劇場版ももちろん全部見てる。特に劇場版1作目は本当にビデオテープが擦り切れるくらいに見た。
私のようなファンは多いと思うが、この踊るシリーズ臨界点は劇場版2でそれ以降はずっと下り坂を下っている。特に劇場版3は酷くその他のスピンオフも褒められたものではない。LAST TVはオープニング以外に見どころがないほど。それでも「落ちるところまで落ちない」間にシリーズを完結させてくれたのは寂しくありつつ安心したものだ(ファイナルも褒められたものではないが)
前置きが長くなったがそんな踊るが帰ってくるとあり私は前編も後編も見てからじっくりレビューしようと思っていた。公開後すぐに劇場に足を運んだ。
が、結論から言うとそんな気も失せるくらいの酷い内容であった。先行上映後にあちこちから聞こえる作品外のコメントを見るとその気持ちは更に大きくなってしまった。踊る製作陣(とりわけ君塚脚本)の良くないところを凝縮させたような映画だった。
というわけでかなり雑な感じのレビューといたします。
ネタバレ全開ですのであしからず。
「理想の展開にしたい」為だけのセリフ
近年の踊る、君塚脚本で違和感を覚えるのは「そうはならんやろう」という人物達の動きだ。例えば「踊るファイナル」で香取慎吾演じる「久我(くげ)」がほぼ「クロ」なのになぜか彼を泳がせて真下の息子を誘拐させたり、「踊る3」で青島の容態が悪いのが検査ミスだったのにそれを教えず本人に「先は長くない」と思わせたり。
そんな作品群から12年。今回はこんな内容を上回る酷さだった。
細かなツッコミは既に溢れている酷評動画に任せるが、地方の人、児童相談所、不良の若者、洗脳の怖さ、子どもたちの思想やいじめなど言い出せばキリがないがここに出てくる登場人物はみんなバカにされてる感じがしてならない。あ、犬もバカにしてる。
これは踊る2からあったが、恐らくプロデューサーの亀山さんが「こんな感じのやつ作りたい」から始まり、そこから強引に展開を決め、その展開をさせるためだけに各人物がその展開のためのセリフや立ち回りをしているそのような作りだった。村人が冷たいのも、児童相談所が無能なのも全部その展開のため。そこに至るまでの心の動きなどは一切ない。深みもないどころか見ていて「え?なんで?」の連続だった。
問題は解決したのか?してたの?え?
キョンキョンの娘、過去の事件が室井を襲う!と散々振られた前編だが、後編見ても「え?解決した。。。の?」という肩透かし。キョンキョンの娘も大したことはしてないし、そもそも何がしたいのかわからなかった。この娘をはじめ事件も子どもの問題も全て「サラリ」と流すので解決したかどうかがわからないのだ。
ときメモのように急に態度が変わる人々
今回、まとめていて自分でしっかりした表現が見出しの通り「ときメモみたいやな」だった。ゲームのようにきっかけがあったらクリア!のように場面が変わると急に態度が変わるひとが後半続出した。パワプロのサクセスやときメモであれば強引だなぁと思ってもゲームだからと割り切れるが、あくまでも人間ドラマを描いてるならそうはいかない。
深い深い傷があるのにちょっと一言話せば会心するキョンキョンの娘。病院でたまたまあったら急に心を開く村人。いや、なんで??急に?としかならない。明らかにそこに至るまでの流れが抜けている。繊細な話題ばかりなのに雑な展開はいい気持ちはしない。
ファンが見たいのはあんなラストじゃない
各インタビューなどで「室井慎次」を柳葉さんから解放してあげたかった。と言うことが制作の裏話として大々的に記事になってる(大々的だから裏話とは言わないかもしれないけど)。その考えや制作過程はかまわない。だが、それが理由が室井をあんな死なせ方をしなくても良かったのではないだろうか。
室井が第一線から退き、踊るからは卒業させると言うならば家族みんなで幸せに暮らす最後で十分ではなかったか?室井の「死」に何の意味もなかったように感じてならない。
青島の登場の前座感
Xなど見ていると「青島がいた!」と歓喜しているが、正直わたしはこのシーンを1番最後に差し込んだのがものすごく嫌だった。本当に嫌だった。
ここまでの再放送の波。プロモーションなど見てれば青島くんが出てくる本編復活はほぼ全員わかっていたこと。だから、あの登場は私的にはサプライズでも何でもない。むしろ、室井が死んでしまったことの整理もつかないままにあんな登場の仕方されても「受け付け」られない。あのシーンは後日特報か何かで本編と分けるべきだったと思う。あそこに差し込めば全て、室井の死までも前座に見える。内田有紀の話のラストに青島くんが出てるのとは訳が違う。あと、青島が何もせずに室井の家を後にするのも良くわからない。クロマキーなのか?あのシーン。
復活させた理由は?
踊るが今後どういう流れになるのかはわからないが、少なくとも今回の室井の話だけではやらなきゃ良かったと言うレベル。きっとあの子は警察官になって本編に出るのだろうとか、新城が本庁に戻るのだろうとかわかりやすすぎるフリもあるが、仮に今回の消化不良の事件の中身が本編で明かされるならそこは期待したい。キョンキョンがあのワンシーンだけとも考えにくい。
そもそもだが、日向真奈美が神格化されているという設定が私はずっと飲み込めてない。それを今回もまた引っ張り出してくるあたり、一番の日向真奈美の信者は誰でもない製作陣何だろうと思った。
大好き踊るをこんなに酷評したくなかったなぁ。
















