目的志向探究者です。
今回もテーマは、「目的志向の傾聴」です。
その⑥です。
「目的志向のアプローチ」について です。
目的志向の傾聴 の全体構成を図に示しました。
この図に示した、4つの要素の中で3番目、
③ 目的志向のアプローチ です。
前回書いた、②基本的傾聴 でクライエントの話を十分に聴きながら、
チャンスを見計らって、目的志向の傾聴の本丸であり、その特徴を表す目的志向へと導くアプローチです。
全体としては、2つに分けて、目的志向の問いかけと、臨場感トークです。
概略は以下のとおりです。
① 目的志向の問いかけ ( 2つの問いかけ)
◇ 明確化の問いかけ
◇ 目的への問いかけ
② 臨場感トーク
一つずつ解説していきます。
① 目的志向の問いかけ
もうそのまま、目的志向へと導く問いかけです。
その中身は、2つに分けました。まずは、
◇ 明確化の問いかけ
クライエントの話、頭の中、感情などを、様々なアプローチで明確化するという意味です。中身はさらに3つに分類します。1つ目は、
・絞込み です。クライエントの話でよくありがちなのは、いくつものテーマ、主題があり、なかなか絞り込めないことです。絞り込まないと深堀りもできず、話が進みません。ある程度、クライエントが話したいことを話したと見計らったら、話の絞り込みに持っていきます。
具体的には、
「1つ選ぶと?」、「ポイントを絞ると?」
など、そのままですね。ただし、クライエントに絞り込んでもらいますよ。
聴き手が勝手に決めるのではありません。
2つ目は、
・具体化 です。
クライエントの話は、一般的であったり、概略的であったりすることもよくあります。そんな時に使う問いかけです。具体化してもらうのです。話が具体的でないと、深掘りできず、感情も引き出せません。
具体的には、クライエントの話の中のことがら、「〇〇」を拾って、
「〇〇って?」、「〇〇というのは?」 といった形で具体化へと問いかけます。
3つ目は、
・拡大 です。クライエントがなんとなく話が終わった感じの時、もっと拡がりがありそうなときに使います。関連ごとを探ったり、時間軸を振って、その前や後のことを聴きます。具体的には、
「他には?」、「似たようなことは?」、「その前にはどんなことが?」、「その後にはどうなったの?」 などです。
続けて、
◇ 目的への問いかけ です。もう、そのまま、目的を問いかけます。
クライエントの話を聴いてきて、そろそろ目的を聴いてもよさそうかな。
答えられそうかなと感じたら使います。と言っても、目的は?と問うのではありません。これは2つに分けました。1つ目は、
・肯定的意図 です。人は誰でも、必ず肯定的な意図を持っているという信念で、頃合いを見計らって使います。具体的には、
「その先は?」、「どうなりたい?」 などです。はまると効果絶大です。
一気にクライエントの意識は、目的へ、建設的な未来へと向かいます。
2つ目は、
・目的へ です。そのまま目的を問います。目的を考えられそうとか、答えられそうと感じたら使いますが、これもなかなか、「目的は?」とか露骨に問いかけるよりは、具体的には、
「どうして?」、「何のために?」 などといった言葉で問いかけます。
このような問いかけを機を見て効果的に使えば、後ろ向きだったり、原因志向だったクライエントが目的志向へと意識を切り替えて、未来へ向かって建設的に考えていくようになるのです。
もう一つは、
② 臨場感トーク です。
クライエントが目的志向になって、未来へ、建設的な思考になるためには、潜在意識へのアプローチが強力です。そしてそのために、臨場感トークが強力なツールになります。
臨場感トークとは、潜在意識へのアプローチを可能にする、時空間を自由に移動して様々な体験を臨場感たっぷりで語り、感じることです。感情、感覚へ導くことも重要になります。
代表的なアプローチとして、
・ポジションチェンジ
・タイムライン
などがあります。
この2つはNLPで使われている手法です。
・ポジションチェンジ
自分と他者、あるいは、自分の中の複数の人格、あるいは、未来の自分、過去の自分等、様々人物を外在化させて、それぞれになりきって、ポジションチェンジして話をし合うという手法です。ゲシュタルトセラピーでは、空の椅子に座って話す形で、エンプティチャート呼ばれています。
・タイムライン
タイムライン、時間軸を仮定して、現在から過去へ行き、過去の体験を振り返り臨場感を持って語ってみる。また、未来は、まだ見ぬ未来の世界を体験してみて、臨場感を持って語り感じてみるという手法です。解決志向ブリーフセラピーの「タイムマシンクエスチョン」も含まれていると考えています。
こんな手法などを組み合わせて、アレンジもして、クライエントに臨場感体験をしていただいて、臨場感トークをして、感情、気持ちを感じて、サンざまな気付きを得てもらうのです。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
また個々について、詳しく書いていきたいと思います。
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