厚岸の人の9割が◯◯◯◯牡蠣
みーなさーん こーんばんは〜皆さん知ってましたか?衝撃の事実。北海道の牡蠣の名産地・厚岸町──この牡蠣の町で厚岸人の9割は“ある牡蠣”を食べません。それが、夏の牡蠣。理由は──夏の真牡蠣は「産卵期」に入り、体内で卵を持ち始めます。これを“抱卵状態”と呼び、身の中に白濁したトロトロの卵が詰まってくる。この卵、実は味としては濃厚でコクがある。けれど、厚岸人にとっては**「舌に残る感じがダメ」「違和感が強くて無理」**と嫌われる存在。「卵入りの牡蠣なんて誰食うのよ?」☝️厚岸では昔からそう言われてきました。夏の真牡蠣は“オフシーズン”だった十数年前までは、夏場の牡蠣といえば「岩牡蠣」。真牡蠣は市場にすら出されず、「夏に出すもんじゃない」という扱い。つまり、市場流通では「夏の真牡蠣」は“旬外れ”として避けられて、夏には岩牡蠣がメインで使われていた。⸻じゃあ…ちょっと試してみるか?で、ある時、思ったんだよね。「岩牡蠣も卵入ってるよな? なんで真牡蠣だけ嫌われるんだろう?」自分は正直、卵入り牡蠣は苦手だった。でも、もしかしたら他の人は違うのかも?って考えた。──そんな軽い気持ちで、築地市場に卵入りの真牡蠣を送ってみたんです。(※自分は食べないくせにね。笑)⸻まさかの反響「これ、ウマいじゃん」すると……予想外の反応が返ってきた。 ・「これめちゃくちゃクリーミー!」 ・「こんな牡蠣、食べたことない」 ・「岩牡蠣にも負けていない!」驚いたね。あれほど厚岸で嫌われてた卵入り牡蠣が、東京では大絶賛。(※でも、僕は食べない。2回目)この状況を知った当時の牡蠣班の役員に伝えたところ、「じゃあ、試しに“卵入り限定の水揚げ”やってみるか!」⸻そして、厚岸で“卵入り専用セリ”が始まるそれからの3、4年間だったかな?夏の一時期だけ**「卵入りの牡蠣を別途水揚げ・選別・競りにかける」**という試みが始まりました。結果は──大成功だったんじゃないかな?東京をはじめ全国各地で、「夏の卵入り牡蠣」がじわじわとファンを増やし、今では“卵入りこそが正義“って感じに。当時は同じ北海道の札幌市場でさえ岩牡蠣に切り替えてたからね。レビューにも、こんな声が並びます。 •「濃厚でトロトロ。まさにご褒美」 •「クリーミーでこんな牡蠣は初めて」 •「クリーミーじゃない!」(※そりゃそうだ、時期が違う。笑)いや、凄いですよ。本当に。そこまでか!って感じで。⸻で、うちのパートさんにチェックした夏の卵入り牡蠣を食べさせようとすると、 >「え..... それコッコ(卵)入ってますよね?」って確認して嫌がるし、知り合いに「牡蠣食うか?」って言うと >「コッコ入ってるから要らない」って言われるし、牡蠣には超絶うるさい息子に食べさせると >「うわっ」 って言う。それだけ厚岸人に夏の卵入り牡蠣は無理。⸻結論:所変われば、価値が変わる厚岸人の9割は食べない「卵入り牡蠣」。だけど、外の世界ではそれが「贅沢な味」として求められている。嫌われ者が人気者になり価値観が逆転する。ガキカキもそうでありたい。⸻「美味しい」かどうかを決めるのは、誰かの好みじゃなく、食べた人自身。厚岸では嫌われる牡蠣が、誰かにとっては一番の楽しみになる。僕は、そういう“味の多様性”を、否定しない。だから言い続けます。「牡蠣には季節ごとの“旬”がある。春夏秋冬、それぞれの美味しさを楽しんでください。」