国内のインテリア関連の大規模展示会をはじめ、4月に行われたミラノデザインウィークの報告会なども多く開催される時期になりましたね!
各ブランドから新作や復刻した家具が発表されているので、ワクワクされている方も多いのではないでしょうか。
いま伝えたいメッセージが込められているブースデザイン
オルガテック東京2024 / カンディハウスのブース
実はインテリアカラーのトレンドを把握する方法として、こうした展示会を訪れるのは大切な活動のひとつ。
では何をチェックしているのかというと、プロダクト自体の配色はもちろん各ブランドの『ブースデザイン』をじっくり見ています。
何百という企業が集まる展示会のなかで、各企業の「いま伝えたいメッセージ」をプロダクトの力だけで表現するのは難儀なこと。
発表するプロダクトの機能や世界観、企業としての姿勢をブースいっぱいで表現してはじめて、通路を歩く人たちの足を留め、見てもらうことができるからです。
オルガテック東京2024 / カリモク家具のブース
裏を返せば、ブースデザインに力を入れていないなと感じる企業は、そのブースの大小やプロダクトの良し悪しに関わらずスルーされることも多いので、とても大事なポイントです。
オルガテック東京で人気のブースでみられた共通点
5月末に開催されていたオフィス家具やファシリティの専門展示会「オルガテック東京 2024」では、人気のあった企業のブースデザインには共通したある特徴が現れていたように思います^^
その特徴とは『気配を感じるオフィスデザイン』を意識していたこと。
半透明で透け感のある素材を使ったり、中が見えそうで見えないデザインを施すことで、オフィスだからといって完全に区切った空間にするのではなく、何かしら人とのつながりを感じる空間づくりをされていたのが印象的でした。
ここからは目についた3つのブースをご紹介しながら、その特徴をひとつひとつみていきましょう。
オフィス家具を提案しているプラス株式会社さんのブースでは、『イゴコチ』をテーマに12個の提案をされていて、テーマにあわせて広いブースを区切っていました。
円形の大小の区画を仕切っていたのは、白やシルバーの透け感のあるカーテン。
近くでみると、それほど透け感を感じることはないのですが、遠く離れたところから見ると照明の加減で中の気配がわかる素材で、繊細な光沢感は見た目も素敵でした^^
ちなみに、PLUSさんのブースの取り組みが面白く、「吸音ってどのくらい効果があるの?」や「となりの人の距離感って気になる?」などを実際に体感できるブースとなっていました。
今回のオルガテック東京では、優れたブースに送られるORGATEC TOKYO Awardsで準グランプリを受賞されていました。(グランプリはカリモク家具さん)
ACTUSさんのブースで目についたのは「ブラウン」。
ブースの背面の壁の色やサークル型のソファの色も2色のブラウンを使っていたりと新しい時代のベーシックカラーとして注目されているブラウンをこれでもかと使われていたのが、トレンドを積極的に取り入れているACTUSさんらしいなと^^
なかでもブラウンの使い方が素敵だなと感じたのは、透明のアクリル板(ガラス?)にブラウンが配されていたこと。
色がついた透明の仕切りはただの壁の仕切りよりも抜け感があり、空間の仕切りがスマートに感じました。
今回わたしが一番驚いたのは、201°さんのブース。
まるで白くて巨大なApple TV(?!)のような箱が会場の真ん中にドーンと鎮座していてほとんど中が見えないんです笑
ブース内へ出入りできる場所は2箇所で、どちらもホイッスルの歌口のような斜めの侵入口で、中の様子が少ししか見えないようになっています。
ブースのインテリアも真っ白な床に壁、白色光の照明で、とことんモダンなデザインになっていました。
展示されていたオフィス家具は、オフィスのオープンスペースで使えそうなものが多かったのですが、このCOOMというシリーズは完全おひとり様用のオフィス家具。
一度座って机に向かってしまえば、周りはファブリックになっているので周囲の音が遮断されやすく、集中力を高めてくれるような環境を作り出してくれます♪
周囲のファブリックは2色展開されており、ひとつは写真の手前にある海の色のような暗めのブルーで、もうひとつは明るめのウォームグレー。
とくに青系統の色は、副交感神経を刺激して、気分を落ち着かせたり集中できる気分にさせてくれる色の効果があるので、このプロダクトにピッタリです^^
自由なスタイルで働くのって今の時代にはあっているかもしれませんが、ときには一人で突き詰めて考えたい時もありますよね。
オープンスペースだけでなく、こうした配慮もしてくれるオフィス家具があるとビジネスパーソンにとっては嬉しいものですよね!
自宅でも使える『気配を感じる』お仕事スペース
他にも、Stresslessさんやカリモク家具さんのブースなど、『仕切ってはいるけれど、あえて仕切り切っていない』というブースはいくつかありましたが、
オルガテック東京2024でインテリアカラーチェック / カリモク家具
こういうアイデアは、自宅のお仕事スペースでも使えるものが多かったりします^^
オルガテック東京2024 / Stressless
コロナが明けてからも自宅でお仕事している方は多いので、カーテンやアクリル板といった素材と色を工夫して使い、人の気配を感じるスペースづくりをするのはおすすめです♪
まとめ
オルガテック東京2024でインテリアカラーチェック / ITOKI
今年のオルガテック東京のブースデザインを中心にお話ししてきましたがいかがでしたか?
近年の大規模展示会のブースデザインは、とにかく植物をたくさんディスプレイして外と中の境界を近くしたり、ソフトでEarthyな色合いを使っているブースが多く見受けられました。
しかし今年はそこからさらに一歩踏み込み、見えそうで見えない透け感のある「気配を感じるデザイン」や「人との繋がり」を意識したデザインや色がちらほらと出てきましたね!
トレンドに振り回される必要はありませんが、インテリアカラーや使用される素材の潮流がどこに向かっているのかを知ることは大切なことです。
さて、来週はまたビッグサイトでインテリアライフスタイル展が始まりますね!
オフィスインテリアとの共通点はあるのか、住宅ならではの動きもあるのか、会場へ行く方は、ぜひチェックしてみてくださいね♪
AKKA かつうら
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