娘あっこから父ひろしへの手紙 29通目
お父さんへ
私は、最近お父さんが引きこもっているのは、
体が弱っているからだと思っていました。
今日、それだけじゃないことを知りました。
昼間から外をブラブラしていては、近所の目が気になる。
町内会からお見舞いをもらっているから
まだ歩けるほど元気なんだと思われると体裁が悪い。
こんな思いもあるのですか…。
この期に及んで、周りの目がそんなに気になるなんて。
今まで、どれだけ神経をすり減らして生きてきたのか。
羽を思う存分広げて、エキサイティングな外界を飛び回る
楽しさを知らずにここまできたのか。
はっきり言って、苛立ちを覚えました。
なぜなら、私の34歳までの生き方と重なるからです。
離婚で、私は不自由に生きてきた今までをやり直そうと決めました。
失敗してもいいから、おもいっきり自分の舞台で踊ろうと。
自分の価値観を大切にして、
世界のどこでも通用する普遍的な何かを掴みたいと思いました。
でも、そのコンパクトな生き方がお父さんらしさだとしたら、
私はそれを受け入れなきゃって思います。
昔の自分を見るようでイヤだけど、受け入れたいと思います。
今日も生きててくれて、ありがとう。