昨日見たNHKのドキュメンタリー『プロフェッショナル』2つ上の姉が癌で余命が限られていると知り家事が大好きだった姉のためベッドを台所に持ち込ませ、家族といつも一緒に暮らせるようにしたそうです。その後病院での看護に飽き足らず訪問看護に専念。そういう言われ方を彼女が好んでいるかどうかは別ですが通称「市谷のマザーテレサ」。訪問看護師の秋山正子さんが出演されていました。その話の中で彼女は「病院と違い在宅は46時中付きっ切りというわけにはいきません。医師やヘルパーさんと連携しその上で患者さんには在宅ならではの注意を払います。」家の中を見渡して「トイレのタオルが湿っていない」ということは半日以上前からトイレを使ってないのではないか?そんなヒントを探しつつちょっとしたことも見逃さないで患者との話題を探る。どんなに終末が近づいていてもその人の「今」が輝いて欲しい。そしてそれは住み慣れた家でほんの些細なことに喜びを見出すこと。終末期の看護ってともすれば「終わる」ことの準備に気が行くのだと思いますがそうじゃない。最後まで輝きを失わないで終わってもらう。それがご本人はもちろん後に残された家族のケアにもなる。「優しい人だな」と思いました。それともうひとつ印象に残ったこと。彼女のかばんの中に聴診器等と一緒にキャップに小さな穴が数箇所開けてある空のペットボトルが1本入ってます。「これ1本と紙おむつ2枚で洗髪できます。患部洗浄にも便利ですよ」現場で考え出された道具って高価なものじゃない。仕事が好きな人は自分で工夫します。
