中国政府は北部新疆省(しんきょうしょう)の州都ウルムチを厳重な監視下においたそうです。政府発表によると暴動で156人が死亡。これは文化大革命以降最悪の民族暴動と言えます。新疆省は現在は新疆ウイグル自治区とよばれ、首長にはウイグル人がついていますが実権を握っているのは共産党幹部の漢人。今回の暴動の直接的な原因はおもちゃ工場で漢人とウイグル人の衝突があり、二人のウイグル人労働者が死亡したことで当局の調査を求めるデモ隊と警官の衝突に端を発するといわれています。中国当局はワシントンに亡命しているウイグル人の女性指導者が裏で操っていると非難しているようですが当然のことながら彼女は否定しています。それよりも根本的な原因は新疆ウイグル自治区のウイグル人が他から移入してきた漢人に差別され、経済的に不利な状態におかれた不満が鬱積したことというのが、大方の西側メディアの見解です。なんのことはない去年のチベットと同じ。こういう問題は根が深く国が押さえつけようとするとうまくいかずいつまでもくすぶる。当然でしょう。古来よりの中東での紛争ももとをただせば人種間差別あつれき。この暴動はかなり大きな問題となる可能性があるような気がします。そして意図的なのかどうかわかりませんが日本のマスコミの扱いも何故か小さい。これはチベットのときもそうでした。世界同時不況の真っ只中、一人元気な中国への期待は大きい。でもそれとこれとは別。