言わずと知れた村上春樹氏のベストセラー。7年ぶりの長編。発売1週間で百万部。内容を発売まで全く知らせなかったのも異例。彼ほどの作家に「売らんがな」のためのテクニックとも思えません。人となりを知る上で圧巻だったのはこの春エルサレム賞授賞式でのスピーチ。イスラエルのガザ侵攻への非難がボルテージが高まっていた頃、「なんでそんなところへわざわざ受賞に行く?」多くの人達がそう考える中「だから行きたくなった」そして「高い壁とそれにぶつかって壊れる卵があれば私は常に卵側に立つ」とイスラエルの大統領を目の前に流暢な英語で批判。「私たちは国籍や人種・宗教を超えてまず人間であり、『システム』という名の壁に直面する壊れやすい卵なのです」と付け加える。滅多にマスコミの前に顔を出さない人で写真での印象は穏やかな初老(60歳)という感じ。でも言う事は言う。普段は生まれ育った関西弁で話すそうです。震災とオウムに思い入れが深く、震災をテーマにした「神の子供達はみな踊る」今回の1Q84。1984をもじったのだと思いますが出発点は先の「アンダーグラウンド」「約束された場所で」やはりオウムだそうです。京都出身。両親は国語教師。兵庫県立神戸高校。早稲田大学文学部卒。この人の文章、分かりやすいようで分からない。難解な単語は滅多に出てきませんがその内容はというと結構やっかい。いつになるか?読み終えたらまた感想を書いてみたいと思います。