大阪は天神祭り。昨日は宵宮。陸渡御(神輿や布団太鼓が街中を練り歩きます)今日は船渡御。(大川をどんどこ船が鐘太鼓のお囃子と共に行き交います)いわば本番です。この時期になると思い出すのが大川沿いの喫茶店。古いお得意さんでした。「オジンさんすまんけど仕事終わってからでいいから店、手伝ってくれへん?」「どんなにはしょって回っても6時は過ぎますけどそれでもよければ・・・」と言ってかれこれ10年近く、毎年祭りの2日はお手伝いに行ってました。オフィス街ですから普段は近所のサラリーマンやOLでお昼時だけ賑わうお店。マスター一人で充分なのですが天神さんの日は別。6車線ある向かいの道路は車両通行止め。浴衣がけの見物客が歩行者天国よろしくぞろぞろと切れ目がない。10席足らずのボックスとカウンター回りはお客さんで溢れます。夕方6時半から10時過ぎまでずっと満席状態が続きます。私の仕事といえばフラッペ作りとフルーツパフェ。アイスコーヒー(こちらでは冷コー)アイステイー。ミックスジュース(フルーツパフェの余りモノで作ります)エプロンびちゃびちゃにして愛嬌振りまきながらシャカシャカ氷かいてます。(私こんなの結構好きなんです)客足がまばらになりかけた10時過ぎ「オジンさんすまなんだなぁ・・・昼間の仕事で疲れてるやろに。お陰でなんとか今年も乗り切れた。」そういいながら用意してあったお弁当とこれまたレジから封筒を出してきます。「いや!これはいただけません。せっかくですからお弁当だけ貰って帰ります。」「そういわれるほど入ってないんや。恥かかさんといて・・・」「いやいや!それは・・・」「まあ、そう言わんと・・・」こんなやり取りの後封筒を私のポケットにねじ込みます。帰りの地下鉄、先ほどの封筒覗いててみると万札2枚。「こんな事して、儲けにはなって無いやろに」そう思いながらも疲れた身体にマスターの気持ちが嬉しかった。今思えばマスター。儲けはどうでも良かったのかもしれない。三大祭に上げられるほどの有名な祭りの日に、好立地に恵まれていながら「時間なんぼ」のバイト入れても客商売。充分なことが出来ない。かといってその日にいっそ休業するのは近隣の目もある。第一マスターの商売人としてのプライドが許さない。ひょっとしたら案外祭りが苦になっていたのかもしれない。本音の部分が聞いてみたい。 亡くなってもう5年になります。