今年の7月から10月まで参加国(セネガル、ミャンマー、マレーシア)から研修生が来て義肢財団でサンドキャスティングの研修をしていきました。


ミャンマーは元首都、ヤンゴンに国立リハビリ病院の中に義肢装具ワークショップは既存のものとしてあるのですが、今回新たにタイからサンドキャスティングの機材を贈呈して義足ワークショップを追加で開設することとなりました。


このプロジェクトはタイとミャンマーの友好事業として、タイ政府の支援で研修が行われていたとは知っていたのですが、ワークショップの改装工事についてはセメントの大手メーカー、SCGからの援助だったということを現地に来て初めて知りました。


まず11月30日に現地入りした私たちスタッフは荷解きから資材のチェック、そして12月1日の午前中に機材の設置(電気配線や吸引機からのチューブ接続等)、午後に下腿義足を試作、12月2日にもう一本の下腿義足を作り12月3日午後のオープニングセレモニーのための準備を終えました。


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1本目の義足をチェックする研修生Tiさん



オープニングの前日の12月2日に、ワークショップ周辺の雑草を取り払うためにそばにある送電線の電源を切るという、サンドキャスティングには致命的な停電を2時間我慢強く待ってなんとか2本の義足を準備することができました。



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12月3日、オープニングセレモニー当日の昼に義肢財団からのドクター二人が現地入り。午前中に出来上がったばかりの義足をチェックしてもらい、OKが出ました。患者さんの笑顔とドクターの笑顔を見ることができて私たちもひと安心です。


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午後3時から、ミャンマーの厚生大臣と在ヤンゴンタイ大使をお迎えして新しい義足ワークショップの開設式が執り行われました。

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新しいワークショップ内で、タイから寄贈された工具類やサンドキャスティングの手法について説明するターチャイ先生


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研修に来ていたTi(ティー)さんとMyint Myint(ミンミン)さんも、プラスチック成型のデモ等を披露。


約1時間半ほどで無事にセレモニーは終了しました。



今までのブルンジやセネガル等の、まったく新しい義足ワークショップという事業ではないので(研修に来ていた彼らは長いキャリアを持っているため)フォローアップの必要はなく、オープニングセレモニーが終わった翌日に財団スタッフは撤収しました。



従来通りの石膏を使った義足製作では、患者さんが義足を受け取るまで平均1-2週間滞在するというので、今回サンドキャスティングを使ったワークショップを開設することによって、患者さんの滞在期間が少しでも短くなることが期待されます。


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ミャンマーでは女性は長いスカートをはくのが正装で、動作やしぐさのひとつひとつに奥ゆかしさを感じます。




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最後に、今回の私たち義肢財団スタッフのヤンゴン滞在中、いろいろとお世話になったヤンゴンタイ大使館の第一秘書、ノックさん。冷蔵庫のないワークショップで一日作業をする私たちのために、クーラーボックスに入ったお水やコーラなどを毎日準備したり、必要なものを買いに行くお手伝いをしていただいたり、といろいろと気を使っていただきました。



チェズ・テンバーテーシェーン(ありがとうございます)!