12月5日(祝)
現国王の78歳の誕生日だそうです。通訳ニタヤさんによると、国王のテーマカラー(?)である黄色い洋服を着て祝おうというような風習があるそうです。日本でいうホワイトバンドの黄色いバージョンがあって、「へえ。タイでは黄色いんだ」と思いきや、それは99バーツ(約300円)で、国王の誕生日を祝う言葉が書かれていて収益は王室に行くとか。
祝日でお休みなので、ひととおり家事を済ませてもまだ陽が高いので、散歩に行くことにしました。30分ほど行ったところにセントラルというショッピングモールのような場所があり、サンダルやパンを買ったり書店で立ち読みしたりしていましたが、出口のところで Fortune-Tellerというものに目が止まりました。
年季の入ってそうなおばちゃんが「両手を出して」というので両の手のひらを差し出すと 生命線を見て
「長生きだねー。うん、72歳まで生きるよ。72歳、死ぬ」
と、ずいぶんダイレクトな表現です。で、小指の横の皺を見て
「三回結婚するね。」おいおい。一回でいいよ。
辞書のようなもののページを開いて
「(料金の)200バーツ出して」
と言うのでさしだすと、お札をその中にはさみました。そこから何が始まるのかと思いきや
「ああ、あっちの方が英語うまいから」
と、今戻ってきたおじいちゃんに私を託そうとします。
口をくっちゃくっちゃさせながらこちらを眺めるおじいちゃん。御年78歳。占いを途中から人に託すのってどうなのよ。
おもむろに私の手のひらを見つめ、
「旦那は二人だね。一人目はよくなくて、二人目がよい。」
と言った後、おばちゃんが横からこちょこちょとタイ語でつぶやく。するとおじいちゃんは
「三人だね。初めの二人はよくなくて、最後のがいい。」
明らかにカンニングじゃないの、お二人さん。そしておじいちゃんは
「長生きだね。89歳まで生きる。ほとんど90だよ。ふおっふおっふおっ」
とサンタばりの笑い声をあげるのです。
あとは「長生きするよ」「お金もちになるよ」「家族みんな健康だよ」の繰り返し。
最後には
「何か質問はあるかね?」
呆れて質問も思い浮かびませんでした。
もう言い尽くしてその場をもてあましていたおじいちゃんは封筒を出し、
「お金払って」と言うのです。
「もうあのおばちゃんにあげたよ」と言うと、
「わしにもちょうだい」
ちょっと待て。
それはないでしょう。
「あのおばちゃんに貰いなよ」
「うん、でもこっちにも欲しい」
「じゃあおばちゃん100バーツ、おじいちゃん100バーツでわければいいでしょ、バイバイ」
と去ると、苦笑いしながら私を見送りました。
変に追いかけたりしないところを見ると、200バーツで二人でも十分な儲けのような気がします。
流しの乗り合いタクシーが15バーツなのを考えると随分割りのいい仕事でもあると思うのです。
そんな祝日の一日でした。