*2nd secret - 変化*
母が死んだ。
ママが死んだ。
死んじゃったんだ…。
誕生日ケーキと笑顔は一つも無いままに私たちは5才になった。
母が死んで皆変わった気がした。
父は、仕事に追われる日々で家には居ることが少なくなった。
私にはこの家に、母の思い出が詰まる家に、居ることが耐えられなくなった様に見えた。
隣のおばあちゃんは、元気が無くなった。
笑うことが減って、毎日無理矢理笑顔を見せてくれた。
親戚のおばさんやおじさんは、私たちを見つめては哀れな目をした。
可愛そう、とか、哀れな、とかそんな思いを私たちにぶつけた。
気付いたら家族は家族と言えなくなってた。
バラバラで皆笑顔を失った。
父は母の部屋を私たちの部屋へと変えた。
新しいベットに、新しい机に、新しい椅子に、
母の優しさは消えていった気がした。
私たちは手を繋ぐことが多くなった。
人が来たとき、手を繋いで…
外に出るとき、手を繋いで…
ベットに入るとき、手を繋いで…
いつも愛音から手を出してきた。
手を繋ごうとするときの愛音の顔は、涙が零れ落ちてしまいそうな、淋しそうな目だった。
私は手を強く握った。
まるで、『愛音は独りじゃない』というように…
『私は独りじゃない』と噛み締めるように…
愛音と手を繋ぐ度に心に刻まれてた…私には愛音しかいないと…