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- ロシア軍のECM(電子対抗手段)能力は目を見張るものがあり、「アメリカ軍によって地中海からシリアへ向かって発射された2機のミサイルを途中で海中へ落ちてしまう」能力を10年以上前には有し、2018年には100機以上の巡航ミサイルの7割を無力化させることができていた
- ロシア軍機の撃墜を受け、露国防相はシリアの防空システムの強化策を発表
- ロシア軍のECM(電子対抗手段)能力は高い。例えば、アメリカ軍がシリアへ軍事侵攻すると見られていた2013年9月上旬、地中海からシリアへ向かって2機のミサイルが発射されたが、このミサイルは途中で海中へ落ちてしまう。イスラエルはミサイルの発射実験を行ったと発表するが、事前の警告はなく、ECM(電子対抗手段)が使われたと言われている。
- 2014年にウクライナの首都キエフでアメリカのバラク・オバマ政権はネオ・ナチを使ったクーデターを実行しているが、それに反発したクリミアの住民はロシアへ接近を図る。その際、ロシア軍のECMが使われたと見られている。
- その年の4月にはアメリカ軍の駆逐艦ドナルド・クックが黒海へ入り、ロシア領に接近するのだが、その艦船の近くをロシア軍のSu24が飛行すると状況が一変した。ドナルド・クックはすぐルーマニアの港へ入り、その後、ロシアの国境には近づかなくなったのだ。ロシアでの報道によると、ロシア軍機は「キビニECMシステム」を搭載、ドナルド・クックのイージス・システムを麻痺させたという。
- これまでアメリカ軍はECM対策として大量のミサイルを発射している。2017年4月には地中海に配備されていたアメリカ海軍の2駆逐艦、ポーターとロスが巡航ミサイル(トマホーク)59機をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射したものの、6割が無力化されている。
- 今年(2018年)4月には100機以上の巡航ミサイルをアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍はシリアに対して発射したが、7割は無力化された。2017年には配備されていなかった短距離用の防空システムのパーンツィリ-S1が効果的だったという。
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