2018年 全6話 FOD配信

既に放送終了しておりますが、劇場版の
「プレイバック」公開前だからかと
思いますが、Tverで配信がありました。

ーあらすじ概要ー
大学へと急いで自転車を走らせていた
久住春彦は路地から出てきた青年を
はねてしまう。
右腕を骨折した青年は木島理生という
小説家。木島は治療費を払えないという
久住に書けない自分の代わりに口述筆記
して欲しいとお願いする。
治療費の払えない久住は乗り気で受けた
仕事だったが木島は官能小説家だった。
木島の言葉に翻弄される久住はいつしか
木島のファンになっていた。
いつものように口述筆記をする木島の家に
担当編集者である城戸が訪問する。
ただの担当と思えない二人の距離に
久住は自分が木島を好きになっている
事に気がつき愕然とする。
日々は過ぎ、木島のギブスも取れる頃。
木島と離れたくない久住はこのまま続けたい
と申し出るが木島は断る。
久住が木島の過去の作品を見返すと自分が
口述筆記をしていた内容とほぼ同じ小説が
存在することに気が付く。
木島に「ごっこ(遊び)だった」と言われ
怒りと悲しさに混乱する久住だが、担当の
城戸に会い木島が長い間スランプ状態で
書けなくなっていたことを知る。
木島の家に行くと既に荷物は片付けられ
ていた。
小説家を辞めて実家の手伝いをすると
言う木島に、久住は時間がかかってもいい
自分の為に小説を書いて欲しいと伝える。
強がっていた木島だが、もう一行も書け
ないと久住に泣き崩れ二人は夜を共にする。
翌朝、久住が目覚めるとそこには既に
木島の姿はなく、起こすと言った木島の
最後の嘘だった。
半年後
就職活動をする久住が見つけたのは
木島の書いた新作の官能小説。
特別な想いの込められた作品を読みながら
離れていった木島を想う久住の姿があった。





ー感想ー
終始流れる切ない音楽が作品と合っていて
なんともノスタルジックで切ない作品
でした。

冒頭は木島のいたずらっぽさに翻弄される
久住ですが、3話の飲んで寝てしまった
木島が全部覚えてないと言い訳しながら
「忘れてよ、全部」と言ったくらいから
お互いに分かっていて知らないそぶり
になっていたように感じます。
木島にとっては久住の若さも、真っ直ぐな
性格も眩しく見えたのではないでしょうか。
書けない扉を開けるめに為に久住の誠実さを
利用し、騙して口述筆記をしていた
自分を許せなかっただろうし、そんな
自分を慕っている久住に負い目や引け目が
あったのだと思います。
久住は若さゆえに真っ直ぐだからこそ
騙された事より、木島の苦悩や弱さを
知っても好きという気持ちが止められな
かったように思います。
お互いに「好き」でも、それは売れっ子
小説家の木島を演じてきた木島という
偶像と嘘の上に成り立っていたと思うと
木島自身は受け入れ難い愛情だったのでは
と思うのです。
ラスト、二人は夜を共に過ごします。
ちょっと見ると、それは二人の思いが
通じたようにも見えますが、その夜の
出来事の意味はそれぞれ違っていた事が
翌朝わかります。
遠い場所でそれぞれのを想う二人の描写で
終わりますが、この続きは劇場版に
持ち越しです。
この作品は少し特殊なので、ハッピー
エンドが好きな私でさえ、この作品の色を
考えると結ばれるハッピーエンドではなく、
結ばれることは無いながら、それぞれの
人生を前向きに進んで行ける、そんな
ハッピーエンドを望んでなりません。

〈別記〉
今回は木島、久住、城戸の三人が
ほとんどで登場人物がやたら少ない
ドラマでした。

竹財輝之介さん
出ていたらとりあえず見ています。
全て見ている訳ではないのですが、
誠実な青年役から悪い遊び人や
コミカルな役まで幅広く、最近はドラマ
でも活躍している俳優さんで、とても
好きな俳優さんのひとりです。
また、最近見てませんが時代劇も好きで
「山本周五郎時代劇 武士の魂」が結構
好きでした。
竹財さんに触れるとどうしても
「ブレイド」の虎太郎は外せませんが
そういえば虎太郎は最終的には小説家に
なって調子に乗ってましたね。
ドラマ「その女、ジルバ」では小説家
ではなくルポライターのようですが
同じ人が演じる物書きでも随分と印象が
違います。
そういう所も役者さんて凄いなぁと
感じます。



猪塚健太さん
キャストの名前見るまでわからなかった
のですが「娼年」で東をしていた方。
娼年では、指折ってとか、めちゃめちゃ
痛そうな感じでした。調べてみると
色々な作品に出演されていて「女子ーズ」
や「斉木楠雄のψ難」など福田監督作品に
も出演されてました。どちらも見てますが
ごめんなさい記憶にないです。
メインというよりはバイプレイヤーと
しての活躍が多い方のようです。
その役が猪塚さんと気が付かない役者さん
その作品ごとに全く違う人になれるという
事なので、実は凄い人かもしれません。
ちょっと気を付けて見ていくと
とても面白い俳優さんかと思います。