2020年 春→夏ドラマ
全8話 (最終回2時間SP)

こちらも時期がずれたドラマでした。
衣装や季節感は暑いです。

ーストーリー概要ー
15年前、老舗和菓子店「光月庵」の主人
高月樹が刺殺される事件があった。
世間を騒がせた若旦那の殺人事件の犯人は
職人の大倉百合子とされ逮捕。
樹の幼い息子、椿の証言によって百合子は
無実の罪を着せられたまま殺人犯として
逮捕され殺人犯してこの世を去った。
15年後、百合子の娘さくらは花岡七桜と
名前を変え和菓子職人となっていた。
彼女の働く店に「花岡七桜は殺人犯の娘」
というメールが届くようになり七桜は解雇。
追い出された七桜の前に多喜川という男が
現れ、母親から七桜への手紙を渡す。
「私はやっていない」
その手紙を見た七桜は真相を知るため
光月庵へ。
椿は気の進まない結婚を破談にするため
七桜と結婚すると宣言。
椿は七桜が大倉百合子の娘であると知らず
に結婚する。

資金援助を目的に結婚を進めていた女将。
血の繋がりのない孫である椿を大旦那は
跡取りとして認めてはおらず、大旦那、
女将の確執。
七桜は多くの困難の中、多喜川に助け
られながら真相を探っていた。
しかし、七桜がさくらだと知らない椿は
自然に七桜に惹かれていく。
対し七桜は惹かれていく自分と、椿を
騙している罪悪感にさいなまれていた。


そんな中、古い文箱から出て来た母の手紙
で一つの真相を知る。
当時、樹と百合子は愛し合っていたが
家柄の違いから結婚できないまま、樹と
百合子は不倫関係にあった。
椿は樹の本当の子供ではなく、七桜が
樹の本当の子供であるDND鑑定書を見つけ
る。七桜は百合子と樹の関係を知った女将が
樹を殺したのではと疑い始める。
また、女将も七桜が百合子の娘だと気がつい
ていた。
これからの椿との関係に悩む七桜は椿の
子供を妊娠。
椿に自分がさくらであることを告げた矢先
光月庵が火事に。咄嗟に飛び出していく
椿に、後で戻ってきて話をして欲しいと
伝えるが椿は戻って来なかった。


妊娠していることを伝えることが出来ない
まま、椿は意識不明で搬送。
七桜は流産し、椿に会わないまま姿を消す。

そして3年。
七桜は多喜川の協力で自分の店を出店。
椿への想いも絶ちきり、光月庵を乗っ取る
と宣言。
しかし、火事の後遺症で目を患ったこと
を知り椿への想いが捨てられないことを
知る。多喜川はそんな七桜の気持ちを
知りながらも七桜へプロポーズをする。
椿に少しでも早く手術を受けさせたい七桜
は、光月庵を手に入れるため、大旦那の
元へ。大旦那は三年前の火事以降、体調を
崩し余命いくばくもない状態。
そんな中、大旦那は椿と七桜に自分を感動
させるお菓子を作った者に跡を継がせると
対決を提案。


対決に勝利したのは七桜だった。

椿が光月庵を去ることになった事に絶望し
菓子の型を燃やそうとする女将を多喜川が
ナイフで襲おうとしたいた。女将を探して
いた七桜は二人の会話を聞いてしまう。
そこへ、椿も駆けつける。
そこで樹を殺したのは女将ではないかと
問い、真相を語り始める。
結婚当初から樹の心が自分に無いことを
告げられた女将に、樹は百合子との間に
子供が出来たから離婚して欲しいと言わ
れ、自分にも子供が出来れば状況が変わる
と、多喜川の父と不倫関係に。
椿の父は多喜川の父であった。数年経ち、
樹の相手を知らなかった女将だったが
二人が抱き合っていることを目撃し、
職人として働く百合子だと知った女将は
多喜川の父に百合子か樹を殺して欲しいと
頼むが、多喜川の父は妻が病院に運ばれた
ことを理由に殺害はしていないと告白。
そこで多喜川は自分が樹を殺したと告白。
当時、父と女将が不倫関係となり、父は
女将に心を寄せてその夜、出掛けて行くと
母は自殺未遂をし、病院へ。
女将に父との関係を止めて欲しいと光月庵
に乗り込んだ時、樹と揉み合いになり
刺してしまったのだった。
翌朝、亡くなった樹の元に女将は百合子の
包丁を置き、百合子を殺人犯に仕立てたの
だった。
全ての真相が明らかになり、多喜川は
警察に。失意の中、光月庵を飛び出した
女将は自らトラックに身を投げ出すように
して亡くなる。
椿は女将の角膜を移植。七桜は椿を迎え
椿もまた、光月庵に戻ることとなった。

概要ですが、長い。

ー感想ー
比較的、シンプルな復讐劇。
これが東海テレビなら更にドロドロに
仕上げたと思うのですが、そこは日テレ。
嫁いびりもドロドロ具合も上品な感じで
見やすいドラマでした。

このドラマで終始気になったのは女将の
行動。年を取るとどうしても親目線で
みる癖がついていまい、女将の気持ちも
わからなくないと思いながらついつい
見てしまいました。
七桜の立場は弱いのですが、結構味方が
多く、椿もなんだかんだで味方ですし、
ヒロイン感バリバリで、いい娘すぎて
応援しながらも結局共感はできません
でした。

そして、一番の謎。
椿の父を殺した犯人。
かなり頑張ってミスリードする演出は
ありましたが、大方の予想を越えない
犯人でした。
ここでも七桜はいい人ぶりを遺憾なく発揮。
しかしながら、ここで最大の衝撃を受けた
のは本当なら椿だったように思うのです。
実の父の暴露、兄がまさかの多喜川で
しかも殺人犯。
七桜としてはすべての真相が明らかになり
母の無実を証明出来た訳なので、
スッキリしましたし、光月庵も手に入れ
文句ない仕上がりですが、椿にすると
全てを失った最悪の瞬間だったように
思います。

それでもラストのハッピーエンドは
よかった。

と思いつつも、椿の敗北感や、罪悪感を
考えると七桜のどこか悟ったマウント感は
椿を今後、苦しめていく材料になりそうで
怖いのです。


〈別記〉
このドラマで一番の見所はやっぱり
観月ありささんではないでしょうか。


「ナースのお仕事」「サザエさん」など
元気で明るい役のイメージの強い女優さん
ですので、今回の姑役、しかも息子が
横浜流星さん。
「あ、姑役する年齢になったのか」と
衝撃でしたが更に嫁いびりする怖い役。
それも見事でした。
残念なのは、せっかく強烈な意地悪な姑を
演じているのに、ドロドロ感が薄いこと。
「ずっとあなたが好きだった」くらいの
ドロドロ感があれば、更に、怖い姑を
演じることも可能だったと思うと残念で
なりません。
今後、どんな役をされるのかも楽しみ
ですが、きれいなだけではない観月ありさ
を堪能できたいい作品だったと思います。

そして、特撮ファンとしては
椿と城島くんのツーショットはちょっと
萌えるヒトコマでした。


鎧武もトッキュウジャーも放送時期は
同じ頃でしたが、ライダー×戦隊の
スーパーヒーロー大戦等は無かったですし
メイン以外のキャラでの特撮キャラの
画ヅラはなかなかにレアな感じでした。



主婦の例外に漏れずドロドロ系の話は
大好物なので、非常に楽しみにしていた
ドラマでしたが、キャストが爽やかな方が
多かったからなのか、原作がそれほど
でもないのか、もう少し狂気とドロドロ感
が欲しかった・・・かな。