1991年(平成3年) 全51話
戦隊、15作目の作品。

古い作品ながら、楽しめる内容で、
一気に見てしまいました。
今の戦隊のイメージとも従来のイメージとも
違う異色な作品かもしれません。
当時の東映のチャレンジャーさが伺える
かなり攻めた作品のように思います。

あらすじ 長くなります。

地球防衛軍の衛生「スカイフォース」に
所属する隊員スカイフォーサーの天童竜と
藍リエは、コンビで活躍する隊員。
二人の活躍を見た小田切綾は二人を
「Jーproject」の被験者として任命する。
バードニック光線という特殊な光線を浴び
ることで「ジェットマン」の力を得る計画
であった。
実行当日。
竜が光線を浴びたのと時を同じくして
「バイラム」と呼ばれる別次元からの敵が
スカイフォースのシップ(衛星)を攻撃。
リエは攻撃されたスカイフォースのシップ
から宇宙に投げ出されてしまう。
この攻撃により、スカイフォースから放出
されたバードニック光線は地球にいる4人の
一般人に降り注ぐことになる。
バディでり恋人であったエリを失った竜だっ
たが、小田切長官の説得でレッドホークと
してバイラムと戦う為、バードニック光線を
浴びた戦士を集める。
ホワイトスワン=鹿鳴館香、
イエローオール=大石雷太、
ブルースワロー=早坂アコと仲間になる中で
ブラックコンドル=結城凱だけはアウトロー
な性格から組織に入る事を拒み続けていた
が、竜の熱意と、凱自身の正義感から渋々
仲間に加わる。
一方、裏次元を壊滅し表次元である地球に
来たバイラムにはリーダーはなく、4人の
幹部から構成されていた。
実質リーダー的な存在のラディゲ、
ロボットのグレイ、少年のトラン、
女性幹部マリア。マリアはラディゲによっ
て洗脳されたリエだった。
トランは敵対するジェットマンを倒した者
がリーダーになることを提案。地球侵略を
進める中、ジェットマンを倒す為、4人は
協力するとこなくジェットマンを襲う。
激化する戦いの中、香は竜に想いを寄せて
いた。それを知りつつ凱は香のに想いを
寄せる。リエの事を忘れられない竜は香の
想いに答えられないと伝える。また、竜を
諦めきれない香は凱の想いを知りながら
気持ちに答えられない状況に悩んでいた。
それぞれの想いのすれ違いから竜と凱は香
を巡って度々、対立することに。
そんな中、バイラム以外に新たな敵
「三魔神」が現れる。これまでも香のピンチ
を救ってきた凱だったが、命をかけて香を
救おうとする凱に、香はこれまで拒み続け
てきた想いを受け入れる事に。
ジェットマンの隊員として戦ってきた二人
だったが、戦闘に参加しなかった事を咎め
られた凱は竜と対立し香を連れて出ていって
しまう。そんな中、マリアはジェットマンを
襲うが、そこに現れた「三魔神」の攻撃で
マリアの洗脳が解けリエに戻る。
リエと再会した竜だったが、突如現れた敵と
交戦中にリエは再度ラディゲの手によって
マリアに。マリアに戻ったリエに打ちのめ
された竜はショックのあまり正気を失い
リエの幻に溺れていた。
そんな竜を立ち直らせる為、雷太とアコは
凱と香を連れ戻す。竜を信じて待つと伝えた
凱と香は再び戦う事を選ぶ。悩む竜の元に
再びマリアが現れ竜を襲う中、竜は正気を
取り戻しマリアを必ずリエに戻すと誓い
凱達の待つ戦場に駆けつける。
多くの対立を経て結束を固めた5人。
対してバイラムの幹部4人にも変化が訪れ
ていた。少年幹部のトランは子供であるこ
とを3人にバカにされた事をきっかけに
怒りにより成長を早めトランザに成長。
実質のリーダーであったラディゲをも一撃
で倒す程の力を身に付け、ラディゲ、マリア、
グレイを手下のように扱うように。
トランザは事あるごとに反抗的なラディゲを
自ら作り出した魔神ロボ.ベロニカのエネル
ギーにするため拘束する。
しかし、ラディゲは逆にベロニカのエネル
ギーを吸い、同じように拘束されたアコと
雷太を助け姿を消す。
ラディゲはトランザを倒す為、人間の姿に
なり竜を助けトランザを瀕死の状態にする
と、トランザを人間の姿に変え脳神経を
破壊し廃人にしてしまう。
3人になった幹部だが、ラディゲはマリア
に力を与えると自らの血を与え、人間の血を
吸い魔獣へと変貌させる事で自分のモノに
しようと試みる。
ロボットでありながら、マリアに想いを寄せ
るグレイはマリアを追う凱達に「マリアを
魔獣にしたくない。魔獣になるくらいなら
人間に戻してやりたい。」と想いを伝える。
魔獣と化したマリアの元に駆けつけた竜は
マリアにリエの頃の自分を思い出して欲しい
と口づけをすると人間としての記憶が戻る。
しかし、マリアの記憶を持つリエは人には
戻れない、自分はバイラムの幹部だと竜に
告げ、現れたラディゲの元に。
リエの記憶を取り戻したマリアは、
自分をマリアにしたラディゲに一矢報いたい
との想いで、隙をつき剣でラディゲを刺す。
マリアを想うラディゲは逆上し自らの手で
マリアを斬る。マリアは竜に「自分の事は
忘れて欲しい」と告げるとグレイと共に消え、グレイの手の中で息を引き取る。
マリアに固執していたラディゲも、マリアを
無くした失意を感じていた。
また、竜はリエの復讐の為、ラディゲと戦う
決心をし仲間の元を去る。
消えた竜を追う4人の前にグレイが現れ、
凱とグレイの戦いも決戦の時を迎えていた。
一方、ラディゲと戦う竜だが、力を増した
ラディゲに手も足も出ない状態の中、
ラディゲの攻撃から竜を救う為、香は深傷を
おう。
香を連れて退却した竜は、香に「リエの最後
の言葉を思い出せ」といわれる。
リエが言った「自分の事を忘れて欲しい」と
言ったのは、憎しみや復讐ではなく戦士とし
て竜に戦って欲しいと言う意味だったと気
がつく。
その頃、グレイと戦っていた凱は紙一重で
グレイに致命傷を与えていた。グレイは負け
を認めマリアを想いながら活動を停止。
気持ちを新たにラディゲに立ち向かう竜の
元に集まったジェットマンは力を合わせ戦うが、ラディゲは巨大化し最終形態ラゲムに。
ジェットイカロスで応戦するも太刀打ちで
きず、小田切長官がジェットガルーダで
応援に。グレートイカロスに合体するも押
され、テトラボーイを投入。
リエが最後に刺した傷口が弱点であると気
がつき攻撃するが、ラゲムはバイラムの旗艦
バイロックをプロテクターに。
竜は合体を解除しジェットガルーダでプロテ
クターを解除しラゲムを羽交い締めにすると
凱はジェットガルーダの剣で貫きラゲムを
倒しバイラムは崩壊した。
戦いが終わって3年。
雷太は田舎に帰って農家に専念。
アコはアイドルになっていた。
香は凱と付き合っていたが、凱との価値観の
違いから別れ、竜と結婚をすることに。
竜と香の結婚式の日。
凱はかつて共に戦った親友のお祝いに行く
為、花屋に訪れる。
そこで出くわした引ったくり犯を捕まえるが
逆上した犯人に刺される。
凱はそのまま結婚式場に向かい、幸せそうな
二人を笑顔で見ながら息を引き取った。


全51話。かいつまんでも長くなりました。

面白いです。
放送当時は忙しくほとんど見てないかった
ので、まともに見るのは初見でした。
噂できいていた以上にドラマです。
時代的にも「東京ラブストーリー」や
「もう誰も愛さない」などのいわゆる
トレンディードラマが主流だった時代を
考えると時代に合った内容かと思います。
また、今なら間違えなく苦情がくる凱の
ヒーローのあり方が「時代だなぁ」とも
思いました。酒を飲んでタバコを吸って
ギャンブルと女をこよなく愛するヒーロー
って。
また、ドラマとして面白いのは、特撮なら
ではの状況での悲劇。
グレイのマシンでありながらマリアに
想いを寄せるが「冷たい」と拒絶され
自分では無いと気づくシーンは切ない。
また、ラディゲは絶対的な悪なのですが、
彼なりに独占欲という愛情をマリアに
抱いていたことがわかります。
竜、香、凱、マリア、グレイ、ラディゲ。
それぞれが持つ「愛情」の表し方の違いも
とても魅力的でした。

ゴミとして捨てられた「プーたん」の話
は結構好きでした。
戦隊はあまり見てないので全体を比べる
事は出来ませんが、昔の一話完結の
のっぺりした感じではなく、連続ドラマ
としの要素が強いので大人向きの作品
かもしれません。
ちなみに脚本メインは井上敏樹御大。
監督もメインは雨宮慶太さん。
お子さま向けの特撮を作るコンビでは
無いような気もします。

そして戦隊と言えば、巨大ロボット。
見てると欲しくなりますが、今ではプレミア
価格でとても購入出来る金額ではないので
止めておきます。
今の戦隊ロボはゴテゴテに盛り過ぎて
動きにくそうですが、この頃はまだ、結構
シンプルです。
シンプル過ぎず、盛りすぎずのバランスが
微妙でカッコいい。特にお気に入りは
「テトラボーイ」が女子的にはツボです。
造形も動きも、ちょこまかしてかわいい。
最近のギミックの多いロボもそれはそれで
魅力的ですが、マジンガーZを見て育った
世代としてはこういうカラーリングの
少ない重厚感もいいなぁと思います。




戦闘ロボのコックピットもいたって
シンプル。また、結構変身解除して
乗ってる事が多かった気がします。


変身した姿での操縦も悪く無いのですが
戦うのはロボットだし、人間体での操縦が
見てる方は萌えるかもしれません。

最後に萌えポイントは面割れ。
戦隊初の面割れらしいです。
レッドじゃなくてブラックってあたりが
大人の心をくすぶります。


グレイとブラックコンドルの決闘は
とてもいいです。
昭和から平成のダンディズムを形にした
ような、このキャラクターが男女問わず
愛されるのがわかります。

時代の風刺も効いたとても面白い
作品でした。


〈別記〉
これを見てもう一回、ゴーカイジャーの
28話を見たらまた、ちょっと違った
感覚で見れました。
本編では凱が亡くなったであろうという
微妙な描写(ファイズの巧的な。)ですが、
ゴーカイジャーでは凱のお墓があるので
やっぱりあの時亡くなっていたんだなって。
ちょっと寂しい気もしますが。
また、何でゴーカイシルバーだけ見えな
かったか?単純に名前かぶりでややこしく
なるからじゃないかな?とか、大人の
都合かなって思ったんですが・・・
どうなんでしょう?