1959年公開

映画好きに「一番好きな映画は何?」と
聞くこと自体が無理な話で。
どの作品もそれぞれの良さがあり選べない
ので、先日ムービープラスで放送があり
久しぶりに見た作品を。

なにせ、3時間40分という超大作。
長い話なので概要のみ。

西暦26年。
ローマ帝国に支配されるエルサレム。
ユダヤ人はローマ人によって強いたげれる。
ユダヤの名家で裕福に暮らす
ジュダ・ベン・ハーはエルサレムの
軍司令官に赴任して来たメッサラとは
幼馴染みであった。
ローマ人とユダヤ人でありながら親友で
あった二人だが、民族と立場の違いから
対立してしまう。
その矢先、新総督の赴任の行列を見物して
いたジュダの妹のティルザが誤って瓦を
総督の行列に落としてしてしまい連行。
故意ではなかったと弁明するジュダの
意見を聞かないメッサラによって罪人に。
ジュダはガレー船(軍用船)の漕ぎ手に
母と妹のティルザは牢獄に。
ガレー船へと連行されるジュダはローマ軍
から水も与えられず砂漠を歩き続けていいた
が、ある村でそんなジュダに水を差し出す
青年がいた。
三年の月日がたち、ジュダは復讐を誓い
ガレー船を漕いでいた。
ジュダの乗る船に海軍総督が赴任。
総督は不思議とジュダに惹かれ、ジュダの
鎖を外すよう看守に指示。
沈む船から脱出し海軍総督を助ける。
総督を助けたことで汚名は返上され、海軍
総督の養子となったジュダはエルサレムへ
と帰郷。
生家に戻ったジュダを迎えたのは
想いを寄せていたエスターだった。
エスターはジュダに母と妹は死んだと
伝えるが、実は母と妹は疫病で「死の谷」
(隔離地区)で生きていた。
母も妹も死んだと聞かされたジュダは
メッサラに復讐するため戦車レースで
対決することに。
ジュダは、このレースに乗じてメッサラを
殺害するつもりであったが、図らずも
レースの事故でメッサラは亡くなってしまう。
死の間際メッサラはジュダに母と妹は
「死の谷」で生きていると伝える。
ジュダは会いに行くが変わり果てた姿を
見られたくないと願う母と妹に拒否される。
仇であったメッサラも元は親友で良い友
だった。彼を冷徹な性格に変えたのも
母と妹が病になったのもローマの仕業
だと考えたジュダは生き甲斐をローマへの
復讐へとすり替えていく。
エスターは優しかったジュダが復讐の鬼に
変貌していく姿を見て、イエスの話を聞く
よう説得するが、聞く耳を持たない。
そんな時、死に怯える母と妹のティルザを
見てエスターはイエスの話を聞かせるため
母とティルザを説得していた。
その姿にジュダも決心し、4人は街へ。
折しもその日はイエスの磔の日。
十字架を運ぶ青年を見て、ジュダは
いつか水を与えてくれた青年だと気付き、
後を追う。
ジュダは家に帰りイエス言葉を聞いたと
伝える。
磔になりながらも、人々の罪を謝罪し
父よ許したまえ、彼らは自らの罪を
知らないのです。」と聞こえた時、憎しみ
が消えたとエスターに伝えた。
迎えに出て来た母とティルザはイエスの
磔の時、突然の豪雨に打たれ疫病は
消えていた。
神の奇跡に触れ、憎しみを拭い去った
ジュダには新たな未来が待っているよう
だった。


あらすじを簡単に書けない文才のなさ。

昔見たときのイメージと違っていました。
と、言っても子供の頃に日曜洋画劇場か
何かで見たと思うのですが。
大人になって見る感覚と子供の感覚の
違いかもしれません。
ローマ帝国を中心とした歴史ロマンかと
思っていましたが、今見ると時代に
翻弄された青年の復讐劇だったんですね。
イエスの生涯とジュダの人生を重ねて
描いている作品かと思いますが、宗教色
はそれほど濃くないので見やすい作品
でした。

争いを好まず神を信じる青年ジュダが
憎しみによって変貌していく過程が
いい。
海軍提督の養子になり、ユダヤ人でありな
がら、ローマの市民権を得たのに、自らの
地位や名声よりも復讐を優先させるジュダの
ある意味「ぶれない」精神がすごいなと。
でも、結構な地位と立場だし、お金も、
養父に出してもらわなくても、元召し使いで
商人のじいちゃんも軍作るくらいの金は
溜め込んでるって言ってたから、母と妹を
探しだし隔離施設くらいは建造出来そうかな
とか、メッサラにしても、わざわざ自ら殺し
に行かなくても、養父に頼んで左遷する事も
出来そうなのに。ま、そういうドロドロと
卑怯なことをしないのがいいところなんで
すが。
ラストも良かった。
見方によっては宗教っぽくも見えますが
憎しみに囚われて生きる人が何かのきっかけ
で自分の本当の人生を見直すことも
あるのではないかと。
例えばブラック企業やいじめで自殺願望に
囚われている人が「辞めたら?以外と
ブッチして辞めても2年くらい経ったら
そんなこともあったなぁってなるよ」
と言われて目が覚めた的な。
それが、ジュダにとってはイエスの言葉
だったのではないのかなぁと思うのです。
見方としてイエスの存在は作品の中では
それほど重要とは感じませんでした。
最終的にジュダが人として立ち直るきっか
になるための伏線と時代背景の為の
ご出演だったかと。

ジュダの数奇な人生がとても見事に
描かれた作品でした。

それにしても、今見ても見劣りしない
映像とストーリーに感動です。
一気にみてしまいました。
おかげで寝不足ですが・・・




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