第9夜 フレッシュ・ブランデー・バック(その3)
津山から岡山まで「歩いてみよう」とはじめた歩行部。
あわや交通事故という危機を回避し、命がけで自分達の限界に挑む!
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かめっち食堂でゆっくりと休憩をとった歩行部一行。
ここで、メンバーが一人合流した。
まだまだ暑い時間、一緒に歩こうという有志があつまるなんて。
卵かけご飯を堪能しておなか一杯になった一行は、再び歩き始めた。
しかし、夏の太陽は確実に一行の体力を奪っていく。
午後の一番暑い時間。
さすがと元気一杯だった面々も、おとなしくなってしまった。
うつむき、もくもくと歩く。
国道沿いのコンビニがあるたびに水と氷の補給。
このときほどコンビニのありがたさを痛感したことはなかった。
それにしても、ほぼ真夏の太陽の下、車の多い国道沿いを歩くのはかなりの苦行だった。
なんでこんなことやってるんだろう?
誰かやめようって言わないかな。
いろんな思いが沸き立ちつつも、次の目標地、中島ブロイラー目指して進んだ。
中島ブロイラーは、その名のとおり鶏肉がとても旨い肉屋だった。
その場で食べられる店も併設されていて、そこで串焼きを食べる計画だった。
だけども、お店についてみると、みんな疲労でそれどころではなかった。
ぱんたん |
もう、疲れすぎてて。 |
一行は串焼きを食べることなく、その場で休憩した。
日差しはピークを過ぎていたが、気温はまだまだ下がる気配はなかった。
昼食の予定外の待ち時間や、休憩の多さで、当初計画していたタイムスケジュールをかなり押していた。
このままでは、ゴールのAVANTYにたどり着かない。
5人は次の目的地、道の駅 久米南を目指す。
道の駅 久米南は、ガンダムを模した大型のロボットの模型が飾られていることで知られている。
もともとは、個人が趣味で自宅近くに作ったものだという。
それが新聞やテレビにも取り上げられ、見物客も出て有名になったものだから、その後、道の駅に移設され、展示されることになった。
今では、この道の駅のシンボルともいえる存在になっていた。
道の駅に向かう途中で、サポートカーを出してくれた友人と合流できた。
夜勤明けにもかかわらず、歩行部をサポートするために車で参加してくれたのだ。
サポートと応援は疲れた身体に、本当に心強い援軍だった。
さっそく、サポートにお使いを頼む。
・テーピング
・はさみ
・コールドスプレー
・酸素スプレー
朝から歩き始めて6時間超。
足の痛みが尋常でなくなってきた。
道の駅には、休憩所があって、その奥に座敷の休憩室があった。
一行は、喜び勇んで駆け上り、ようやく靴から開放された足を伸ばしてくつろいだ。
いったんゆっくり座り込んでしまうと、たちまち根が生えてしまった。
なかなか腰があがらない。
友人に買ってきて貰ったテープで足を固定する。
指、ふくらはぎ、ひざ。
痛む箇所はみなそれぞれ。
メンバーの中にはテーピングに心得のある人もいて、心強かった。
ぱんたん |
俺の脚なんて、テープでがちがちになって。 両脇を抱えてもらって、介護してもらわないと立ち上がれないんだもん。 |
準備を整えた一行が道の駅をようやく出発した。
午後の太陽は、西に傾き始め、少しだけ、その灼熱の手を緩めてくれはじめていた。
物語は、その4へ続く
(つづく)
