ニューヨークではコロナ危機を乗り越えようと、少しだけ明るい光が差し込めた中で、その光を暗くて重い雲が遮断してしまいました。
"BLACK LIVES MATTERS"
何十年、何百年のアメリカの歴史の中で飽くことなく繰り返されてしまう黒人差別。
激しく胸をかきむしりたいくらいに腹が立つ今回の事件。正直、もう、うんざり・・・
でもこの数日、私はとても深く考えさせられることとなりました。
本当に”偶然”なのか”必然”なのかわかりませんが、このタイミングで私は3日間連続で不愉快な思いをすることになりました。
タクシーで支払いをしようとしたところ、クレジットカードの精算機が上手く作動せず、何度カードを入れても上手く行かない・・・
限度額にはほど遠いし先ほど使ったカードなのでカードに問題があるとは思えなかったものの、一応、他のカードに変えようと
思ったその瞬間に、メーターがずっと上がりっぱなしであることに気付きました。
”ちょっと何やってんのよ、普通、止めるでしょ?”って言ったら、運転手が突然激しく怒り出しました。”さっさと支払え”と。
私はそんなことでおとなしくなるような人ではないので(笑)、私も丁寧ながらも怒り出しました。
”カードの精算機が壊れているんだから私の支払いとは全く関係無い。早くメーターを止めなさい”と強く言ったところ、
運転手は自分の人種のことを追加して更に怒り出したのです。(彼は完全にアフリカ系移民の運転手でした)
”俺が黒人だからそんなことを言うのか?”・・・と。
私の怒りは頂点に達しました。だから言い返してやりました。
”じゃあ貴方は私にこんな嫌がらせをするのは、私がアジア人だからなの?”・・・と。
結局、私が結果としては勝ったのですが(笑)、非常に不愉快な気持ちになりました。
私が怒っている理由は人種とは200%関係が無いことであるのに、逆にそれを持ち出して”逆差別”でもしようとしていたのでしょうか?
その後、2日連続でスーパーやドラッグストアで店員と間違えられることがありました。
勿論、私が店員の皆様を下に見ているようなことは一切無く、話しかけて来た人たちが、”明らかに”私がアジア人だから間違えた”、
と言うような表現をしたので、とても不愉快に思ったのです。
私は米国市民ですが、常に日本人としてしっかりと誇りを持ち、そして”意識”しながら生活を送っています。
~私はマイノリティーである、と。
今回、確固たる意思を持ってデモに参加している人たちを横目に、Looter (略奪者)と呼ばれる人たちの暴動が
かなり問題視されていますが、私は参加者全員に問いたいです。
”貴方たちは本当に一度も人種差別をしたことはありませんか?”・・・と。
私は彼らを見ていて、ボブ・マーリーの言葉を思い出しました。
~指をさして人を非難する前に、君のその手がよごれていないか確かめてくれ。
~ 誰もが自分の運命を決定する権利を持っている。
~批判するな。 自分自身を批判する前に。
批判するな。 批判する覚悟がないのなら。
私が今、思うこと。
それは勿論、教育がとても大切であることは言うまでもありませんが、”sefl confidence ~ 自分自身への自信”を持たせる教育が
学校でも家庭でもとても鍵になると言うこと。
私も店員と間違えられた際に、ひょっとしたら、”冗談じゃないわよ。アジア人だからそんなこと言うのね?”と
キレまくる人間になっていたかも知れない。
でも、私はそんなことはしません。
何故なら、その考えを持つこと自体、アジア人であることに誇りが無くなってしまうから・・・
”自分”と言う人種を超えた”個”に自信があるから・・・
ニューヨークで生まれて多くの人種の中で勉強をしている娘と、毎晩、とても有意義な話をしながらワインを飲んでいます。
多くのお店が壊されている映像を見ながら娘は本当に不思議に思うようです。
”なぜ、こんなことを???”
この11歳の娘の素朴なWHY ??? を私達大人が決して忘れてはならないと思う毎日です。