Ⅰ、与件整理
(1)企業概要
1、海外から250種類以上のチーズを輸入しているチーズ専門店。
2、1998年には、6店舗だったが、現在は17店舗。2001年度の売
上高は前年の10%増の11億5,900万円。
3、挨拶は行わず、始めから「どのようなチーズをお探しですか」と
はなしかけるの がルール。
(目的)①おそるおそる店にやってくるお客様に対してプレッシャ
ーを与え、購入する気をなえさせるのを、防ぐため。
②お客様のチーズに対する知識レベルを測るため。
4、顧客を3つのタイプに分けている。
(顧客タイプ)①全くの初心者
②長年のファン
③購入経験が少ない割には、知識だけが豊富
5、出店依頼は多いが、質にこだわり開店は、年に1度に抑えてい
る。
6、久田社長略歴及び考え方
①滋賀県永源町に生まれる。
②招福桜に入り板前修業。久田社長は、日本料理の職人として
の修行経験がある。
③デパートの日本食アドバイザーとして9年間勤務する。
④料理人として培った舌を頼りに自分がおいしいと思うものしか
置かない。
7、チーズ王国誕生の経緯
①ルミネ社長からの出店の誘い
②自らが必要としていた乳製品のお店が無かったので、自分た
ちで作りたい と考えた。
③地元の他店舗との差別化のためまだ、取り扱い店舗に少ない
ナチュラルチ ーズをメインに打ち出す。当時は世界中のチーズ
を扱った専門店は他に例 がなかった
④「ルミネっていろいろ揃って便利ね」と感じてもらうことを意識して
プレゼンテ ーションを行う。
⑤1987年にオープン。開業当初は、苦悩の日々が続く。この経験
から、チーズという商品を売るためには、まず、お客様の知識レベ
ルを把握することが 大切であると気づく。
⑥商社に頼らず味を確かめながらじっくりとバリエーションを増加さ
せたことが 少しづつお店の評判につながる。
(2)SWOT分析
(S:強み)
1、ファンが急増。
2、顧客を3種類のタイプに分け、最適な接客を行うノウハウを保有。
3、顧客と十分な対話ができなくても、その人がチーズにどの程度詳
しいかを判 断できる仕掛けを施している。
4、チーズ王国を利用した顧客は、販売員の的確なアドバイスや目の
前での切り分けの試食に驚きを感じている。
5、フレッシュな状態が一番おいしいものは間を置かずに店頭に出せる
供給体制
6、熟成が必要なものは、本社地下で熟成を行うことができる保管設
備の保有
7、フランスのどのチーズが日本人の味覚にあるかを判別することが
できる細かい 仕入れのノウハウ
8、商社に頼らない独自の仕入れルートの確保
9、社長はフランスのチーズ業者から鑑評騎士の称号を受領
10、早苗夫人は、熟成工の資格を保有
(0:機会)
1、全国の百貨店からの出店要請が殺到
Ⅱ、ケースの課題
1、1-1
1 ブルーチーズに関して知識のないお客様から「かび臭くて食べら
れないという苦情が発生
2 すべてのお客様に入念な説明を行う。
3 何人目からのお客様に「余計なお世話だと言わんばかりの顔をさ
れる。
↓
「お客様によって、知識レベルに差があること」を認識
(チーズという商品を売るためには、まずお客様の知識レベルを把握する
ことが大切)
「顧客を3つのタイプ」に分類する
①全くの初心者 ②長年のファン
③購入経験が少ない割に知識だけは豊富なタイプ
1-2
①挨拶はせずに、初めから「どのようなチーズをお探しですか」と話しかける
ルールの設定
②顧客に試食を行わせる
③あえてフランス語等の現地の言葉で商品名を標記するなど、顧客に直接
話しかけなくても顧客がどれほどチーズに詳しいかを判断できる様々な仕
掛けをほどこす。
顧客に対して、販売員の的確なアドバイスや目の前での切り分けの試食
を体験させることで常に、新たな発見と新鮮さを提供している。
(カスタマーズ・デライト)
2 メリットは以下のとおりである。①顧客満足の向上により、顧客の店舗に対する
ロイヤルティーを創造させ、一般顧客をロイヤルカスタマーとして成長させる。
②上記①により、スイッチングの防止と来店頻度の向上及び購入単価の向上
を図る。③プロモーション戦略としての口コミ効果により、ストアブランドの構築
を狙う。
3 チーズ王国がもたらすメリットは以下のとおりである。①ファンが急増し、約5年
間で10店舗の出店に成功することとなった。②百貨店からの出店依頼がくるな
ど、ストアブランドの構築に成功している。③フランチャイザー展開を検討するこ
とが可能になるなど顧客からの絶大な信頼を勝ち得ている(ブランド浸透)
④上記①から③の結果により、対前年売上高10%増の売上を達成した。
4
1-1
①社長及び社長夫人が暗黙知として保持している知識を形式知化
②FC展開を行う際のノウハウの取得
③スタッフ部門の充実及び次なる事業展開の考案
④高品質の商品を保持するシステムの汎用化
⑤今後の事業展開を踏まえた資本政策
1-2
①社内マイスター制度の導入などによる技術伝道システムの構築
②外部企業(ベンチャーリンク等)との戦略的提携によるノウハウの取得
③事業部制の導入による社内システムの整備
④現システムの分析及び研究開発部門の設置
⑤株式公開をマイルストーンとして行う現在の資本状況の把握と整備