7w4d。

わたしが以前、流産した週数です。

ここを無事に越えるのが、ひとつの壁だと思ってます。



一度、流産したときのことを書いておこうと思います。

苦手な方はお戻りくださいね。





遅い結婚で、子供はすぐに欲しいと話していましたが、11月の入籍から1ヶ月で、懐妊しました。

2人共、有頂天でした。
5週の時点で、mixi日記で友人たちに報告しました。
流産のリスクも、不妊に悩む方の気持ちも、何も知りませんでした。

わたしはつわりらしいものもほとんどなく、快適に過ごしていました。
このまま快適なマタニティライフを送れると思っていました。

7w3dとなる12月23日、職場の同僚たちを家に招待してクリスマスパーティーをしました。
ちょっと疲れたけれど、すごく楽しかった。
みんなで妊娠のこともお祝いしてくれました。

その夜、旦那さんと関係を持ちました。

避妊なしで。



……知らなかったんです。

精液が子宮を収縮させること。
妊娠中は避妊しなければならないこと。
行為自体、安定期まで控えた方がいいこと。


トレンディードラマ原作の漫画で、妊娠中に「避妊しなくていいから楽だわ」と言っている描写を見て、なんとなく鵜呑みにしてました。
そんな浅はかな知識しかありませんでした。


翌日、朝から下腹部に鈍痛がありました。
仕事を始めて一時間くらいたったころでしょうか。トイレに立ちました。

用を足して拭き取ったとき、トイレットペーパーに真っ赤な血がつきました。

驚きと共に、さあっと血の気が引き、体中がどくどくと脈打ち始めました。
その後数回拭きましたが、血は止まりません。

とりあえずナプキンをあて、震えながら病院に電話しました。
翌日が検診の予定でしたが、出血のことを伝えると、すぐ来てくださいと言われました。

会社を早退させてもらい、病院に向かいました。
倒れそうに気分が悪かったけど、電車では座れず、出血を感じながら吊革にすがりついていました。

11時頃病院について、内診台に上がりました。
エコーを見た先生が言いました。

「赤ちゃん元気だよ。ほら」

画面を見ると、心臓が元気に動いている赤ちゃんの姿が見えました。

「私はまだ諦めたくない。このくらい出血しても大丈夫だった例もたくさん見てるの」

赤ちゃんの姿と先生の言葉で、少し落ち着きを取り戻しました。

自宅に戻って様子を見ることになり、タクシーで帰宅しました。

自宅でお腹に手を当てて祈りながら寝ていましたが、午後3時頃、出血が多くなってきました。
生理のピークを越える勢いです。
病院に電話し、再びタクシーで向かいました。

見てくれたのは、さっきと違う先生でした。

「ああ…もう、全部出てきてしまってるね」

やっぱり、そうか……。

涙は出ませんでした。
現実ではないような変な感覚で、妙に冷静で感情が動かない。

「これが赤ちゃんです」

後から見せられた、瓶に入ったそれは、白くて丸く、繭のようでした。
胎嚢なんだな、と思いました。

「とても悲しくてつらいことだけど、妊娠の15%に起こることで、どうしようもないんです。あなたのせいではありません」

そんなに高い確率で…知らなかった。

先生は何度も、わたしが悪くないと言ってくれました。
それでかなり、気持ちは救われました。

「自然に出てしまえば、すぐに妊娠もできるから」

次への希望もわきました。


電話で会社に報告すると、年内は休むよう言われました。
ゆっくりして、年明けに出てくるようにと。

薬をもらって帰宅。

夜、帰宅した旦那さんに「ごめんね」と言うと、涙を流して抱きしめてくれました。
その時やっと泣けました。
わんわん泣いて、旦那さんが買ってきてくれたチキンとケーキを食べて寝ました。
クリスマスイブでした。


後から知識を得るに従い、あのときの流産は自分のせいでは、という気持ちがやんわりと起こってきました。
弱い命ではあったのだと思います。気をつけていてもダメだったかもしれません。
でもあの最後に見た、元気な心拍が忘れられないんです。

あの子は、わたしたち夫婦に命の奇跡と大切さを教えるためにやってきたのでしょう。
その4ヶ月後に授かった子は、大切に育てました。
妊娠報告も慎重にしました。
生まれるまで、旦那さんと関係は持ちませんでした。

あの悲しみがあるから、今を大事にできるし、ある程度思慮を持って行動できると思います。

これだけはハッキリ言えます。
けして意味のない命ではなかった。

わたしは忘れないし、今でも愛しています。
あの子がもう一度授かるとは、あまり思っていません。
あの子はあの子で、代わりのいない、第一子でした。
勝手に男の子だったと思っていますが…
本当によくできた、お兄ちゃんでした。

教えてもらったことを心に留めて、新しい命も大切にしたいと思います。

このまま、無事に育ちますように。