久しぶりの暇話。
とりあえず、最初
時間軸は、かなりワープする。
………………
それはオレが日本に帰国して、かなり経った頃、
まだ大阪に住んでた頃。
親友で東京モード学園出身のカズと、昔ながらの行きつけの茶店(←カフェなんてオシャレなもんじゃなく、もっとヤンキー風な)
で、お茶してた時の話。
「あのさ、お前さ
NYで本当に全部自分一人で創ってたの?」
「うん、当たり前やん」
オレは当然の様に答えた。
本当だもん。
「なんかね、噂では
と、言うかオレの周りのデザイン業界の人は
''あれ、絶対に専用のパタンナーは付いてるで”
って、言ってたよ。
一人じゃ絶対出来ないはずって。
さすがに一人じゃ無理だろ。」
「とんでもない!
訳あって失踪後、和を取り入れる為の急ぎの時、一日泊まり込みで仲間に縫うのを手伝って貰った以外は
全部縫ってたし、型紙も全部自分で引いてたよ!
とんでもない!」
「まじ?
ここだけの話、ぶっちゃけてよ。」
「ほんまやって!
失礼やな!もう!」
そうなんだ。
本当に全部自分で型紙を引いて、そして自分で縫ってたんだよ。
工場に出したswallow、TシャツはOA済みだよね。
………………
オレは大阪モード学園を卒業してパタンナーになった。
だが、しかしそれはメンズのパタンナーで
やはり、NYで創っていたものとは勝手が違う。
メンズの製図は基本、平面のみで展開する。
NYに行った最初の頃は、その辺がかなり心配だったしハンデかなとか思う事もあった。
しかし…
オレ学生時代、ドレーピングがめっちゃ得意だったんだ!
ドレーピング=立体裁断、
とは超簡略的に説明すると、
ボディにSheeting(シーチング)と言う布を当てて、デザイン画のイメージのシルエットを表現して型を創って行く製図法だ。
オレは実はこれがめっちゃ得意なんだ。
モード学園時代に授業でドレーピングの美しさを定められた時間内に終えて、競う授業があった。
授業が終わると、美しくドレーピングされたボディを先生が順に並べて行って、
採点すると言う授業だ。
オレ、これめっちゃ得意で
この時ばかりは結構、先生にベタ褒めされた。
同じくドレーピングが超得意の、ロリータファッションのカオリちゃんって子がいて、
いつも二人で余裕ぶっこいて、褒め合っていた。
だいたい、どちらか二人が一番か二番目に並べられて
採点も満点の5Aだ。
カオリちゃんが【ドレークイーン】で、
オレは【ドレーキング】さ。
企業実践でも、プロの方々にメチャ褒めされた☆
学生時代にアシスタントデザイナーをあるメーカーのアトリエでしてた時も、
実際にオレがドレーピングした物を、デザイナーさんがOK出してくれて、
何度も商品化された。
なんだか、自慢ばかりの今日の記事なのだが、
オレはこの得意のドレーピングのおかげで、NYの過酷な日々の中
全部自分で製図する試練も乗り越えられた。
もちろん、平面図も得意だけど
自分の頭の中に思い描いたデザインを、シーチングを通して
魔法の様に組んで行ける、ドレーピングは大好きだ。
NYでドレーピングをしていけばしていく程、どんどんどんどん
面白くなって、アイデアが湧いて来た。
今では頭に思い描いたデザインは試行錯誤しながらも、
絶対に立体に出来る自信がある♪
なんでも型取れる、
うん、象れる。
そんな自信があるよ。
でも、オレは
パタンナーでもモデリストでもなく、
デザイナー、クチュリエだ。
紆余曲折を経て、衣裳デザインが中心の今も全部自分でやってる。
でも、ドレーピングや製図は得意だけど、
声を張って言いたい。
今のオレはパタンナーでも、縫製職人でもない。
オレはデザイナーだ。
クチュリエなのだ。
そこは譲れない。
デザイン画を描いて、ドレーピングや製図をして、素材を裁断して縫う。
そして作品が仕上がる、その瞬間をむかえる。
それをもうかなりの年数やって来た。
でも何年経っても、その過程が、まるで自分が魔法を使ってる様に感じられて大好きだ。
だからかドラマ「ファーストクラス」、面白かった。
まぁ、かなり大変で逃げ出したくなる時も
そりゃ、あるけどね。
15年前、あの時は今よりも技術も、知識もまだまだ未熟だったから
しょっちゅうあったんだよ。
今でもたまにあるよ♪
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