あれから、15年。(56)逃亡中 | 泣き虫デザイナーのニューヨーク奮闘記、 のその後、それからの ご あきうえ

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ファッションデザイナー「GO AKIUE(ごあきうえ)」のブログです。
I am a fashion designer.
Creating clothes is my passion. I've designed clothes and accessories for actors, singers, and other media personalities.


「あれから、15年。(56)逃亡中」


すっかり、森昌子さんヘア(先生Version)になった後、
オレは気を取り直した。


逃亡中の身。
仕方がない。
それにこの髪型だと、森昌子さんに間違えられても、オレだと気付かれる事はないだろう…

お昼は抜きにした。
なるべく、節約しないと。

だから、メトロにも乗らない。

そう言えば、前にTomomoが、Manhattanって一日あれば下から上まで歩けるかも。
とか言ってたな。

Manhattanってね、南北に24km
東西に4kmの細長い島なんだよ。
アメリカって広大な国土があるのに、Manhattanに住む事を夢見て、
それを実現した160万人の人々が住んでるの。


取り敢えず、人が多い通り
その方が人混みに紛れるから、スタッフさん達にも見つからないかな。

オレは取り敢えず、今ダウンタウンにいるから、ブロードウェイを歩いて、一番南の地区ロウアーマンハッタン、ウォール街を目指した。

そう言えば、NYに来て随分経つけど
結局観光なんてしてないな…

ウォール街、それは憧れの街。

小さい時から色んな映画で観て来て、ウォール街を行き来するビジネスマンのスタイリッシュなスーツ姿に憧れたのも、
モード学園を卒業して、メンズのアパレルブランドのパタンナーになった理由のひとつ。

ウォール街を歩きならがら、道行くビジネスマン達を見て
みんな、世界経済と戦ってるんだな。
オレは戦いから逃げ出しちゃったんだよ…
なんて考えてたら、

Charging Bull(雄牛像)と、とうとう対面した。

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悪そうな牛だ。
そして強そうな牛だ。

普段なら勝てる気がするけど、今の負け犬のオレなんか相手にもされないだろうな…

昔、オレはジャイアント馬場さんに
オレのスピードを駆使すれば逃げて逃げて、最後は体力勝ちして、
そして勝利する自信があったんだ。
プロレスファンの先輩に言ったら怒られたけど。

今のオレにはそれも出来ないだろうな。
家出した根性無しだから。


でも、取り敢えず
悪い顔したCharging Bullを
キッ!と睨んでみたよ。


オレの眼力、日本での最初のオーディションで、プロデューサーに見出された眼力…
今のオレにはその眼力はないんだろうな、きっと。


そしてオレはWest Sideに進んだ。
ハドソン川へ向けて。

ちょうどもう夕焼けどき、
ハドソン川沿いの柵に立って
夕焼けに光るJerseyCityを見ながら

「バカヤローーー!!!」

叫んでみた。

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人はまばらだけど、なんかみんな、そんな気持ちっぽい人達に見えたから、
きっとオレのバカヤロー!も違和感がない。

「バカヤローーーォ!!!」

誰に言ってるわけでもない、家出をすれば、夕日に染まる川に向かって、
「バカヤロー!」って叫ぶのはスタンダードだ。
何かで観た。

この時は多分、オレ自身がバカヤロー!だ。

だから、オレはハドソン川に来てみた。
初夏の風が頬をつたう。
オレは今までNYで、何をやれたんだろう…
何が出来たんだろう。

人が生まれる前から
流れているんだね
空より広いゆたかな
ミシシッピーリバー
君はいつでも明日を
指さす矢印さ
知らない世界へ行こうと歌ってる
きっといつか行くよぼくも
君がめざす海へ
そして君に負けないくらい遠く
旅をするんだ

なんか、夕焼けのハドソン川を見てたら、
子供の時に好きだった、トムソーヤのアニメの歌を口ずさんでた。
ハドソン川なのにミシシッピー川…

「オレのバカヤローーー!」


腹が鳴った…
そう言えば、何も食べてなかったな。
バカヤロー…



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