あれから、15年。(49) | 泣き虫デザイナーのニューヨーク奮闘記、 のその後、それからの ご あきうえ

泣き虫デザイナーのニューヨーク奮闘記、 のその後、それからの ご あきうえ

ファッションデザイナー「GO AKIUE(ごあきうえ)」のブログです。
I am a fashion designer.
Creating clothes is my passion. I've designed clothes and accessories for actors, singers, and other media personalities.



「あれから、15年。(49)」

3ヶ月3万ドルの売上「ノルマ」を達成する為に、
オレはディレクターFさんと対策を立てた。

ひとつは、前回の~暇話(14)~で書いた、Tシャツをつくる。

そしてもうひとつ

「GOくん、【和】を前面に押し出した商品を創って【AKIUE-GO】に出してみないか?」

Fさんが提案して来た。

「嫌、嫌…
絶対嫌!」

今思うと、オレほんと子供やったわ。 (^_^;)
本当に駄々をこねるみたいに、嫌だ嫌だ!の一点張り…


そりゃね、オレももう気付いてたよ。
ここはNY、
欧米と呼ばれるところ。

いくらオレがやれPunkだ、やれRococoだ言っても
幼い時から、無意識にそれらに接して来た欧米人の方が
その部分では本物。

オレの本物は…
世界に羽ばたく為に必要なのは…

オレが幼い頃から無意識に見て、無意識に感じて、自分の中のアイデンティティーとして培ったもの。
それを出す事が、一番の本物であり、このNYで強みになるんじゃないか…と。

でも子供の頃から想い描いて来たオレのデザイナー像。
それは…
それは中世ヨーロッパに憧れ、パリ、ロンドン、ニューヨークを夢見て来て…
ずっとずっと勉強して来たのに!

Fさん、勝手な事言わんとってよ…
嫌や、嫌や、嫌やねん!!!
ホッティさんも一緒になって、口挟まんとって!

なんかオレね、言われれば、言われるほど
頑ななまでに意固地になっちゃってた…

嫌や嫌やの一点張り。

この時は「すぐ」受け入れられなかったよ。


でもね、
受け入れなかったけど、それで良かったんだと思う。


だから、オレは考えたんだ。
悩んで苦しんだんだ。


そして、他にも様々な出来事があって、
「あの事件」を起こす事になるんだけど…



それを経てふっきれたんだ。
オレが無意識に見て育って生きて来たもの。
そして、オレが描いたデザイナーとしての夢。
オレとしての世界観。
そこにはオレの、オレの想像の世界がある。
それを出したい!って。


この時、悩んで苦しんだ事、無駄にはなってない。
無駄どころか、武器になってる
いや、武器にする。


転んでも、転んでも
転んでこそ、感じ取れた傷みを、
転んだ時に感じ取れた感覚を
絶対に、絶対に武器にして見せる。


……………


そして、これはずっと後の話。

日本に帰って来て、この時Fさんに言われた事、
オレがNYで身を以て感じたこと、
それを数年後に本にしたのが、
「ご あきうえの和烈れのリメイクドレス」。

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そして、この本を出した事もきっかけで、
そののち、オレは
「ご あきうえのクリエイティブ・ソーイング」
と言う教室をする事になった。
ここでオレは講師でありながらも、様々な世代の生徒さん達に、たくさんの事を教わった。

………………


今年の10月、オレはパリ在住の戦友である画家と
日本で二人展をする。
「和裂れのリメイクドレス」から、さらに10年。
和裂れのドレスどころじゃないよ。
いや、ない様にして見せる!


15年前だけじゃない。
その後も、転んで転びまくった
今のオレを、
絶対に、絶対に武器にして見せる。




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#和 #アイデンティティー #和烈れ